こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

2014年のスパイフィクション十選

本ブログとは別に作っている「スパイフィクションリスト」では、「早川の『冒険・スパイ小説ハンドブック』のアップデート版」を目標に地味にその折々のスパイフィクション(小説、映画、ゲームなど)を少しずつ紹介しています。「リスト」と銘打ちつつも、…

今こそ読もうグレイディ!全邦訳長編レビュー

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』観ましたかみなさん。すばらしかったですね。 アメコミヒーロー映画としても当然ですが、スパイフィクションとしても大傑作なこの映画、スパイ者として注目するとなるとやはりまずは名優ロバート・レッドフ…

12月に読んだ本

2013年12月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:3252ページナイス数:23ナイス サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)の感想抜群の記憶力と判断力、戦闘技術を持ちつつも心身の傷のために内にこもる24歳、ロマコメ好き...。なんというミステリ好…

11月に読んだ本

11/22/63 下の感想それまでの長大さに比して、あまりにもあっさりとした幕引き!うまいなあ。余韻が、イン・ザ・ムードのメロディが、読者のなかにはしばらく残る。読了日:11月2日 著者:スティーヴンキングここは退屈迎えに来ての感想『地方都市のタラ・リ…

10月に読んだ本

2013年10月の読書メーター読んだ本の数:6冊読んだページ数:2519ページナイス数:18ナイス大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)の感想徹底される女嫌い/人間嫌い。フィリップ・マーロウの心は死者/死にゆく者にのみ開かれる。そう思っていられる、ふりをし…

9月に読んだ本

2013年9月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2880ページナイス数:6ナイスわれらが背きし者の感想頼むから!もっと!セクシーな装丁にしてくれよ岩波さんよお!/まあもはやル・カレがいかに熱くセクシーな物語を描いても、日本ではスパイ小説…

7月に読んだ本

2013年7月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2366ページナイス数:15ナイスマイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)の感想『マイトレイ』瑞々しく美しい小説。エリアーデのイメージとはぜんぜん違うなあ。/『軽蔑』NTR愛好家に…

『はだしのゲン』はなぜみんなに読まれているのか

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻作者: 中沢啓治出版社/メーカー: 汐文社発売日: 1993/04メディア: コミック購入: 1人 クリック: 88回この商品を含むブログ (109件) を見る 松江市の教育委員会が、管轄内の学校図書室にある中沢啓治『はだしのゲン』を小中…

6月に読んだ本

2013年6月の読書メーター読んだ本の数:13冊読んだページ数:4330ページナイス数:32ナイスダイ・ハード (新潮文庫)の感想わお、こんなにハードボイルドだったのか。心からの味方も敵も失くした中年男の戦うさまが胸に迫る。映画がいかに原作の要素をうまく…

5月に読んだ本

2013年5月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2863ページナイス数:20ナイス探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))の感想映画に向けて再読。軽妙だけど重厚。じりじりと真相へにじりよっていく展開、不意打ちの真相、修羅場をくぐってき…

「もやしブックス」名義で、本関係のイベントに参加しています。(2013年6月7日更新)■2013年6月8日 西荻窪一箱古本市に参加します! 6月8日(土)、西荻窪で開かれる「Tokyo Biblio +リコシェ+ KISSCAFE presents 第2回 一箱古本市×ブクブク交換×ビブリオバ…

あの書店のラノベフェアを見物してきたよ

書店につとめている友人がいます。(察しろ) 彼がさいきん勤め先の会社でやっているラノベのフェアにちょっとだけ関わったそうなので、のぞきにいってきました。 itmediaの記事だけ紹介しておくね。公式への直リンクはしないよ!(察しろ) 今回のフェアは…

俺はここにいる『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』

「おっ、降ってきたな」 「俺、雪が降り始めるとわくわくしちゃうんだよ」 「子供かよ」 冬のはじまりの札幌の空気はおもしろい。 これから半年間続く、雪と寒さに閉ざされた苦しい時期に陰鬱となるいっぽうで、心の半分では、なにか素敵なことがはじまった…

4月に読んだ本

2013年4月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2520ページナイス数:6ナイスIDOL DANCE!!!: 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しいの感想アイドルのダンスがいかに興味深いものか、ということに加えて、著者やアイドル自身から「最…

3月に読んだ本

2013年3月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2997ページナイス数:17ナイス犬の力 上 (角川文庫)の感想ハイスピードて展開していくにもかかわらず、各主要登場人物の助走期のみずみずしさ、あざやかさが印象に残る。隅々までウィンズロウ節と…

「札幌発の本と本にまつわる小冊子」『冬のZINE』に寄稿しました

先日刊行された『冬のZINE』に、『世界で一番モテる本』という文章を寄稿しました。 「どんな本を持っていればモテるの?」という文系男子永遠の悩みに最終回答を導き出した傑作論文なので、せんべいでもかじりながら読んでください。 モテたくないしてぎの…

1月に読んだ本

2013年1月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:4299ページナイス数:20ナイス 女ざかりの感想浦野にゲラゲラ笑いながら読む。古色蒼然、ときどきピントはぼやけるけれども、最後のホテルの場面など、まさしく文学宇宙を数行・数頁にきゅっと押…

12月に読んだ本

2012年12月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:3138ページ ナイス数:12ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/99009/matome?invite_id=99009■007 白紙委任状 ふつうにおもしろい現代スリラー、という印象で、(映画の)007好きが0…

『天使は容赦なく殺す』

『スカイフォール』の日本でのヒットには、昨年ジェフリー・ディーヴァーによる『007/白紙委任状』が邦訳され話題にのぼっていたことも影響しているはず。あれはあれでたいへん面白い小説ですが、『スカイフォール』のあとに読む現代スパイ・フィクショ…

11月に読んだ本

2012年11月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:2092ページ ナイス数:4ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/99009/matome?invite_id=99009■ゼーガペイン 忘却の女王 (朝日ノベルズ) 長いわりに描写の濃度が薄いこと、多くの設定への言及…

「もやしブックス」名義で、本関係のイベントに参加しています。(2013年6月7日更新)■2013年6月8日 西荻窪一箱古本市に参加します! 6月8日(土)、西荻窪で開かれる「Tokyo Biblio +リコシェ+ KISSCAFE presents 第2回 一箱古本市×ブクブク交換×ビブリオバ…

人と本の映画『映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』

テレビアニメ『スマイルプリキュア!』映画化作品。 「世界の絵本大博覧会」にやってきたみゆきたちプリキュアの五人は、絵本のなかからやってきたという少女ニコに出会う。彼女に連れられ五人は絵本の世界を訪れるが、やがて謎の影の仕業によっていくつもの…

10月に読んだ本

2012年10月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:2540ページ ナイス数:18ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/99009/matome?invite_id=99009■暗黒の河 (新潮文庫) 読了日:10月5日 著者:ジェイムズ・グレイディ http://book.akahoshitak…

9月に読んだ本

2012年9月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2409ページ ナイス数:1ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/99009/matome?invite_id=99009■せちやん 星を聴く人 (講談社文庫) 疾走のはての孤独。平易でリーダビリティの高い物語で、日野…

もやしっ子に寄す

もやしブックスとして各種の読書子向け小冊子等を発行するに際し、下記のような巻末言をしたためた。 元ネタは岩波文庫の「読書子に寄す」、をパロった伊藤ガビン「読書ッ子に寄す」(MF文庫『ジュブナイル』)です。 われながらいいアジ文になったと思う。…

6月に読んだ本

2012年6月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2870ページ ナイス数:6ナイス■リモート・コントロール (角川文庫) 読了日:06月27日 著者:アンディ マクナブ http://book.akahoshitakuya.com/b/4042790011■サイコパスを探せ! : 「狂気」をめ…

5月に読んだ本

2012年5月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:3449ページ ナイス数:16ナイス■スパイだったスパイ小説家たち (新潮選書) ル・カレの項のみ読む。現実を否定し自分と周囲を騙し続けた父親との関係、ロマンティックなスパイ生活を求めた若い日…

4月に読んだ本

2012年4月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2922ページ ナイス数:16ナイス■ナイロビの蜂(上) (集英社文庫) ウッドロウの視点から物語をはじめるあたり、まあ本当に小説がうまい人というのはいるもんである。じりじりと状況が描かれていく…

3月に読んだ本

2012年3月の読書メーター 読んだ本の数:4冊 読んだページ数:1557ページ ナイス数:20ナイス■サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ) ウィンズロウはあとがきで、トレヴェニアンと自身の「声」を融合させることを目指したと書いているけれども、9:1の割合でウ…

2月に読んだ本

2012年2月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2705ページ ナイス数:26ナイス■ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 「班」のおじいちゃんたちサイコー!悪役とはいえ、緊急事態に招集される引退したスパイたち…

1月に読んだ本

2012年1月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:3502ページ ナイス数:16ナイス■ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) 淡々としたシミュレーション文章(not小説)なのではという先入観を抱いていたわたしがばかでした。なんだよ謀…

10月に読んだ本

2011年10月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:2760ページ ナイス数:11ナイス■復讐の女神 (1964年) (創元推理文庫) チャーミングでスウィート。時折姿を見せる、むき出しの暴力と悪意。あと、すさまじく馬鹿げたトリック。それらの根底にあ…

きみはワンダーランド

来年のSF大会にそなえて、そろそろミステリ・冒険小説偏向の読書をあらためなければならない。なにせぼくは本を読むのがたいへん遅いので、月単位・年単位で読むべき本を消化する算段をたてておかないとにっちもさっちもいかないのである。 伊藤計劃を読んだ…

札幌ブックフェス ワンデイブックスに参加したよ

今日、札幌駅前通地下歩行空間で行われた「ワン・デイ・ブックス」*1に参加してきました。 いつも遊びに言っている平岸のすてきな古本屋浪漫堂さん*2のブースに間借りして、一箱だけ出品。屋号は「もやしブックス」としました。もやしっ子なので。 ワンデイ…

阿部裕貴『初音ミク革命』

ミクパ札幌にて先行販売されていた『初音ミク革命』(阿部裕貴、北千葉図書、ISBN:9784905485049)を読んだ。 これは、札幌市立大学の学生の卒業論文をもとに、加筆して書籍化したものとのこと。 版元の千葉北図書は、北関東を中心としたゲーム・本・CDの小…

6月に読んだ本

2011年6月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:2278ページ■ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下 20世紀の歴史が絡むようであまり絡まない(大局と個人のあいだに、明確な因果関係が結ばれているわけではない)ところが新鮮と思った。中盤か…

5月に読んだ本

2011年5月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2229ページ■マクシム少佐の指揮 (ハヤカワ・ミステリ 1418) 作品ほんらいの魅力を把握しづらかった前作に比べ、格段に面白さが増している。レギュラー補佐役のアグネスにジョージ、今回だけ登場…

4月に読んだ本

2011年4月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1562ページ■ロード・ジム (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) ここまで身近な、心うたれる小説とは思わなかった。理想と現実の間で右往左往するジム、冷酷と親密の間でさまよいながら彼と…

池澤夏樹『叡智の断片』

映画なり小説なり、登場人物が格好よく引用するさまには誰でも憧れると思う。 小説の本文前や章のあたまに引用句がいくつも並んでいるのも格好いい。中学生が小説を書くと、本文より格好いい引用句を探すのに血眼になったりするんだよねー、ってそれはおれだ…

ひろさちや『「夜逃げ」のすすめ』

「世逃げ」のすすめ (集英社新書 435C)作者: ひろさちや出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/03/14メディア: 新書購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (17件) を見る べつに無理して百パーセントの力を出しつづけることないじゃん、楽にいこうぜ…

茂木健一郎『脳と仮想』

脳と仮想 (新潮文庫)作者: 茂木健一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (112件) を見る 広範な知識をもつ理系の人からの、文学へのラブレター的エッセイとしてたのしく読んだ。 読んで…

植村直己『青春を山に賭けて』

青春を山に賭けて (文春文庫 う 1-1)作者: 植村直己出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1977/01/25メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (25件) を見る 学生のころ、登山家が何を考えているのか知りたくて読んだうちの一冊。 山に登ることには超…

芹沢俊介『若者はなぜ殺すのか』

若者はなぜ殺すのか-アキハバラ事件が語るもの (小学館101新書)作者: 芹沢俊介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/12/01メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る 秋葉原事件の六ヶ月後に刊行された本。 同時代の若い人の心情をす…

丸山真男『日本の思想』

日本の思想 (岩波新書)作者: 丸山真男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1961/11/20メディア: 新書購入: 25人 クリック: 248回この商品を含むブログ (220件) を見る マジョリティがマイノリティ意識を持つ(国民の支持を集める保守が「おれたちがこの腐りき…

ギャビン・ライアル『深夜プラス1』

深夜プラス1 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18‐1))作者: ギャビン・ライアル,菊池光出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1976/04メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 141回この商品を含むブログ (76件) を見る 冒険小説の名作ということでチェック。 第二次大戦…

仲俣暁生/岡本真(編)『ブックビジネス2.0』

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系作者: 岡本真,仲俣暁生,津田大介,橋本大也,長尾真,野口祐子,渡辺智暁,金正勲出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2010/07/16メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 562回この商品を含むブログ (52件) を…

バルガス=リョサ『楽園への道』

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)作者: マリオ・バルガス=リョサ,田村さと子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/01/10メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 92回この商品を含むブログ (91件) を見る ゴーギャンのおばあちゃん…

辻原登『抱擁』

抱擁作者: 辻原登出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/12/18メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見る 二・二六事件を背景にした心霊譚。心霊譚なんだけれど、18歳の主人公あるいは怪現象の中心にいる5歳の少女のどちらが憑か…

辻原登『花はさくら木』

花はさくら木作者: 辻原登出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/04メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る 典雅なつくりの造本にだまされることなかれ。江戸幕府、朝鮮、そして関西商人が陰謀をめぐらし武力衝突を繰り返す、…

竹内康浩『東大入試至高の国語「第二問」』

東大入試 至高の国語「第二問」 (朝日選書)作者: 竹内康浩出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2008/08/08メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 64回この商品を含むブログ (17件) を見る いっけん受験対策本にみえるけれど、これがまたなんとも奇妙な本な…