こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

ドラグネット・ミラージュ

ドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)

ドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)

 地球とは異なる物理法則・人類・文化が支配する異空間レト・セマーニと、ミラージュ・ゲートによって繋がった都市サンテレサ。地球とレト・セマーニの文明がぶつかりあい、新たな犯罪が生まれるその街で、正義を貫く人々――ミラージュ特捜班は日々悪と戦っていた。
 「アメリカのケーブル局ECMで放映された連続ドラマシリーズのノベライズ版」を模して始まったこのシリーズ、『ドラグネット』や『マイアミ・バイス』に影響されているらしいが、90年代に海外テレビドラマを観て育った人間として一番想起するのは『刑事ナッシュ・ブリッジス』。コミカルとシリアスのさじ加減や、港町の風情、それに主人公のひねくれ加減は『ナッシュ』が一番近いのでは、と思う。

 それはともかく、この小説、「アメリカ的世界と魔法世界が混じり合う都市での刑事ドラマ」というネタだけでもう勝ちである。ライトノベルでは少ないであろう刑事ドラマのフォーマットで、かわいい女の子が剣と魔法をかたわらに大活躍するなんて、オレみたいな人間にとってはまさに鴨が葱しょってやってきたという感じ。あとは標準的な面白さがあれば充分。
 主人公二人がぶつかり合いながらやがてお互いを信頼し始めるというバディもののドライヴは(ドラマシリーズの第一話だし)まだまだな感があるが、他には特に減点なし。今後の展開が非常に楽しみなシリーズだ。