- 作者: 永井するみ
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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昔からポプラ社より理論社なぼくとしては、ポプラのYA攻勢よりも、山田正紀を擁したりといぶし銀な印象の理論社YAを断固支持している。で、松尾たいこの表紙で、主人公が女の子のハードボイルドだってんなら読むしかない。
で、期待通りの良品であった。第1回PLAYBOYミステリー大賞を受賞しているのもうなずける*1。
男子ハードボイルドの傑作、東直己『ススキノ、ハーフボイルド』と並んで書架に置きたいものです。
- 作者: 東直己
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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主人公凪は代官山に住む高校生2年生。大学教授として世界を飛び回る母と二人暮らし。夏休みの初日、書き置きを残して消えてしまった同じクラスの友人を追って、6日間の冒険を繰り広げることになる。
物語は凪の一人称で語られる。これが何ともうまい。こういう女の子(男の子でもいいけど)、いるよな、と思わせる。ちょっと距離を置いて世間を眺める視線と、自分の信念を貫こうとあがく心。人間に対する細やかな観察眼と、鋭い分析が地味ながら常に地の文に織り込まれていて、探偵としての彼女の素質も伝わってくる。
風俗描写が正しいかはもうぼくも25才のおっさんなのでわからないが、現代のリアルなヒロインとして結構いい線いっているんじゃないかな。17才の女の子に読ませて、感想を聞いてみたい。
理論社ミステリーYA!のウェブサイト*2によれば、続編『レッド・マスカラの秋』が08年10月に刊行予定とのこと。
あと冬・春で四部作になるのかな。楽しみ楽しみ。