- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2007/10/31
- メディア: ハードカバー
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佐野眞一の新刊。
雑誌掲載のエッセイが中心なので、まえがきで本人も言うように「一見、散漫な構成になっている」。いつもの佐野節が適度に炸裂する、ファンとしては安心して楽しめる、けどときどき飽きちゃったかもー、とも思ってしまう一冊。
ただし、次のような表現がときどき出てくるから、油断はできない。
三万人の自殺者という数字は、六千人あまりの死者を出した阪神淡路大震災が、年五回の割合で毎年起きている計算になる。
――「「下層社会」をめぐるあきれた論議」
現実味のない数字を、肌で体感できるところまで引っ張ってくるこの力。さすがだなあ。