こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

この国の品質

この国の品質

この国の品質

 佐野眞一の新刊。

 雑誌掲載のエッセイが中心なので、まえがきで本人も言うように「一見、散漫な構成になっている」。いつもの佐野節が適度に炸裂する、ファンとしては安心して楽しめる、けどときどき飽きちゃったかもー、とも思ってしまう一冊。
 ただし、次のような表現がときどき出てくるから、油断はできない。

 三万人の自殺者という数字は、六千人あまりの死者を出した阪神淡路大震災が、年五回の割合で毎年起きている計算になる。

――「「下層社会」をめぐるあきれた論議」

 現実味のない数字を、肌で体感できるところまで引っ張ってくるこの力。さすがだなあ。