- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 1999/03/25
- メディア: DVD
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
アンとマリラ、リンドのおばさんが、夕陽が落ちるグリーンゲイブルズの庭先で佇む一場面の愛おしさといったら! リンドのおばさんの語りがこんなにも涙を誘うとは思いもしなかった。
リンドのおばさんの、ちょっと無神経ながらも人情にあふれた語り口はアンがグリーンゲイブルズにやってきたころと変わらず、そして一瞬、マリラも昔の率直な物言いを取り戻すのだけれど、しかしアンもマリラも以前のままではない。全50話・約1500分に渡る物語の流れを、その不可逆性を、静かなシーンが残酷なまでにはっきりと示す。
大切な人を失い、夢を諦め、それでも新たな希望を抱いて前へと進むアンの姿に、これまで観てきた彼女の幼年時代の事件がオーバーラップする。
アンは「グリーンゲイブルズのアン」であって、遠くに旅することもなく、壮大な夢を叶えつくすこともない。けれども、物語は、時間は、彼女を遠くへ押しやる。
物語は終わるが、彼女とその物語という旅をともにしたぼくのもとには、その長大な旅の道程の記憶と、それと同じだけ未来に(物語が存在しない現実に)のびていく道ゆきを見通す視界が残る。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 1999/06/25
- メディア: DVD
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (8件) を見る