こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

クローバーフィールド/HAKAISHA

 予告編の「ぐおおおおおおん」という叫び声で、「これはもしやアレ系譜では」と予感してしまっていたうえ、町山智浩のアメリカ映画特電などでアレの影響を受けていることを聞いていたので、「破壊者」の正体だとか、物語のトーンだとかに衝撃は受けなかった。

 とはいえ、映画という娯楽は、腑に落ちる謎解きだけ、新鮮な驚きだけ、のものではない。
 この映画なら、前述のアレへのオマージュに加え、事件に遭遇した一般市民がハンディカムで撮影した映像という設定、リアルで要所をおさえたVFX、そして何より911の影響と、色々なものが組み合わさってできている。「破壊者」の詳細な正体だとか、主人公たちのその後、事件全体のありさまなどが見えなくとも、限定された要素がからみあい、最高級のおもしろさを浮かび上がらせる。
 ハリウッドによる911追体験映画としては、『宇宙戦争』『ユナイテッド93』に続いて、最重要作品になると思う。そろそろ、「映画でみるビフォア/アフター911」みたいな新書が出てもいい気がします。