こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

ルーカスは何がしたかったのか 『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』

 残念な出来。

 老いたハリソン・フォードインディ・ジョーンズがもう往年のテンションで活劇をしてくれるとは誰も露とも思っていないわけで、そこを埋めるためにシャイア・ラブーフケイト・ブランシェットが投入されたんではなかったのか。なによこの温度の低い感じ。誰も活劇していない。

 活劇ってのはただ人間が動き回っていればいいわけではない。
 それぞれの人物造形に見合った(あるいはそれを敢えて裏切る)活動でなければ、そこに人が動く意味はない。
 年老いたインディはどんな方法で動かなくなった身体をカバーし活躍するのか?
 まずはそこが描かれていなければ、今インディ・ジョーンズをする意味はないだろう。

 いいな、と思えたアクションシーンは、シャイア・ラブーフケイト・ブランシェットのフェンシングくらい。
 それでも、ブランシェットがなぜ剣にこだわるか、彼女の異常さはどのくらいか、といったところが描かれていないから、はらはらするアクションだね、という程度で終わってしまう。

 長年ジョージ・ルーカスが脚本にOKを出さなかったことが続編製作の壁となっていたらしいけれど、この程度の出来じゃあ、ルーカスは一体何にこだわっていたのか不思議に思えてくる。デビッド・コープの脚本の何がよかったの?
 フランク・ダラボンの脚本を、辞書ひいてまで読んで知りたい問題だとは思えないけれども*1