こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

小林多喜二『蟹工船・党生活者』

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

 それにくらべ小林多喜二の、他者を描こうという意識の薄さにはびっくりする。
 これをアンセムにしたらいまの労働者たちは前へ進めないだろう。気勢をあげるだけじゃダメなんだってば。

 えんえん、アホな共産党員の生活が描かれる『党生活者』のほうが、小説としては面白い。
 好きでもないのに結婚させた妻に寄生しつつ、『新青年』を読んで逃亡生活のスキルをまなぶ男……あ、アホすぎる。「こういうダメな男がたくさんいたから日本の左翼はダメになりました!」というテキストとして、笑って読むのが正しいと思われ。