こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

山本弘『闇が落ちる前に、もう一度』

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)

 ひとつのアイディアを、派手に飾らず、また書き込みを欠くこともなく、堅実に語るマジメなSF・ホラー短編集。意外と、SFに一家言ない人のほうが楽しめるのかもしれない。
 世界の終わりをテーマとする『審判の日』は、ぼくの苦手な山本弘の楽観的な面が最後に打ち出されて少々辟易した。
 同時に痛感したのは、女の子を描くことのむつかしさ。描写が下手なのではなくて、女の子との距離感を持つのが下手っていうか。どんなに女の子の真情が描けていなくても、描けないもんだとわかって描くのと、描けると勝手に思いこんで描くのとは大違いで、時々山本弘は後者のほうへ傾いてしまっているように思う。