『SR サイタマノラッパー』が日本の青春映画史においてエポックメイキングな傑作といえるのは、映画そのものだけでなく、そのサントラもまたすばらしいからである!
日本の青春映画の何がダメって、現代の若者が聴いて楽しめる音楽が盛りだくさんのサントラが発売されないことだ。人気のあるミュージシャンを起用した主題歌が一曲入っているだけで、あとは劇伴曲だけ...。そんなんじゃ、映画を観たあとの帰途で余韻に浸ったり、学校で友達にまずはサントラをすすめてみたり、なんてことができないじゃん。そういうことの積み重ねで青春映画ってのはみんなの記憶に残っていくわけですよ。映画界は、新進のポップミュージシャンをがんがん起用する最近のアニメ業界を見習うべき!
NARUTO-ナルト-BEST HIT COLLECTION 2
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「埼玉レペゼン」「埼玉生まれブロ畑育ち 山の幸とはだいたい友達」といった至極ばかばかしいライムもあり、また楽曲も『上京ラップ』『お魚ラップ』など一見おふざけに思えるものが多いが、しかしそれでこそヒップホップ! またそうしたばかばかしさの中から、『教育金融ブランニュー』『DJ TKD 辞世のラップ』など、歌い手の心からの叫びを刻み込んだとしか言いようのない迫力が立ち現われるところにもぐっとくる。
昨日のトークによれば、楽曲のプロデュースに関わった上鈴木伯周は、自身も生バンドラップグループで活躍しながらも、ヒップホップに対しては距離を置いていたという。このアルバムで楽しめる、ちょうどいい塩梅の諧謔と真剣さは、彼のそうしたスタンスによるところが大きいのかもしれない。
当然このアルバム、一般には流通していないが、オンラインショップで購入できるようだ*1。映画を観た人も見てない人も、ぜひ!