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まあ基本的にこのボンクラは信用できるよね、という彼に対する評価は、お次の『ハムナプトラ』でほぼ固まった。またも生理的嫌悪感を煽りまくるモンスターや、ガンマニア風ではない魅力的な銃の描き方*1、笑える台詞*2などなど。こりゃ面白い監督がいるもんだ、と思ったもんである。
しかしそれ以降、『ハムナプトラ2』『ヘルシング』と、気の抜けた炭酸のような映画が連続したので、その評価は一気に崩れ去ったのであった。
で、本作『G.I.ジョー』だ。
結論から言うと、『ハムナプトラ2』と『ハムナプトラ』の中間くらいの出来だろうか。様々なメカが登場するとはいえ、基本は人間のアクションであるため、荒唐無稽な絵が度を過ぎていた前二作よりはまともな映像になっていた。脚本は、マトモな大人からすればばかばかしいことこの上ない出来だが、そもそもデニス・クエイドがリーダー、ウェイアンズ兄弟の一人が兵士として働いている軍隊が、マトモな連中であるわけがなかろう*3。民間人を巻き込んだ大破壊をした後に「あっ、俺、このメカの説明書読んでなかったよ!」と笑うマーロン・ウェイアンズの姿にこの映画のすべてが集約されている。つまり、ぐだぐだ言うな! 俺たちはおもちゃで遊びたいんだ!ということである。そうした思想の前では、ツメの甘い作戦も、がんがん民間人が犠牲になっていそうな活劇シーン*4も、そのまんま過ぎて腰が抜けそうになる『スター・ウォーズ』オマージュ*5も、なんら否定されるべきものとはならないのである。たぶん。
同じおもちゃ映画でも、米軍を背後につけて、フェティッシュかつアホな軍隊描写をし放題のマイケル・ベイ『トランスフォーマー・リベンジ』と比べてしまうと、やはりこちらは分が悪く、あちらは中学生、こちらは小学生といった趣ではある。...うーむ、目くそ鼻くそを笑うとはまさにこのこと。
ただし、基本的にむちゃくちゃなこども映画でありながら、悪の親玉を複数立ててプロットを複雑にし、そのうちの一人が見事目的を達成して以下続編、という着地をしてみせるのは腐っても鯛、ソマーズの意地だろうか。ああくだらねえくだらねえ、と笑いつつも、ぼくは続編に期待しちゃうのだった。