こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

『イングロリアス・バスターズ』

 タランティーノの映画は『レザボア・ドッグス』と『キル・ビル』しか観ていないぼくが言うのもなんですが、彼の映画のなかでは一番面白かったっす。『トゥルー・ロマンス』は除く。
 終盤、登場人物たちがその後の歴史を知っているかのように立ち回り、改変していく感じがとても面白かった。主要人物の何人かは時間旅行者なんじゃねえの、という雰囲気。確か大森望が『ローレライ』についてそういう感想を言っていて、だからヌルい、という論旨だったと思うのだけど、この映画においてはそこをナチ(を支えた個人)への怒りや映画愛が補強していて、別種の魅力が生まれていた。