こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

2009年の映画ベスト10

 昨年劇場で観た新作は合計43本。本数は例年通りだけれども、TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル」等を参考に評判のいい映画をたくさん観たので、充実した一年だった。観逃しちゃまずい映画はそんなにたくさん観逃していないと思うし。ま、観てない話題作は『3時10分、決断のとき』と『ミルク』と『チェンジリング』くらいだもんな。って多いよやっぱり。
 以下、ベスト10。

  1. サマーウォーズ http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090715/1247674351
  2. 精神 http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090628/1246156906
  3. 愛のむきだし http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090418
  4. ヱヴァンゲリオン新劇場版 破 http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090705/1246804057
  5. レボリューショナリー・ロード http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090307/1236440198
  6. 母なる証明
  7. SR/サイタマノラッパー http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090426/1240721498
  8. マイマイ新子と千年の魔法 http://d.hatena.ne.jp/tegi/20091206/1260068484
  9. ザ・バンク/墜ちた巨像 http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090412
  10. オーストラリア
  11. グラン・トリノ http://d.hatena.ne.jp/tegi/20090510/1241923336

 『オーストラリア』と『グラン・トリノ』は同率10位です。前者についてはいまだに自信をもってよかったと言い切れない。鑑賞直後のメモには大傑作と書いてあるので、その感情を大切にしてランクイン。
 『グラン・トリノ』はいい映画なので当然ベスト10には入れておくけど、でもなんか納得できねえ!足抜けが許されんのはイーストウッドだけだかんな!あがりを決め込んだおっさんども、おれは見張っているからな!とロールシャッハ的精神でもって一番下に入れておく。
 『ザ・バンク』はボーン三部作に並んでもっとちやほやされていい映画だと思う。冒険小説好きのおじさんたち周辺とかでは評価されているんだろうか。『トゥモロー・ワールド』に続くクライヴ・オーウェンの地獄めぐり映画(惨憺たる状況でオーウェンがおろおろしながら奮闘する姿を楽しむ映画)としてもたいへんにすばらしかった。
 『マイマイ新子と千年の魔法』は、『オーストラリア』に並んで自分のいまの感情に自信の持てない映画。これだけの熱い騒ぎになったら、やはりそこに引っ張られていることは否めないと思う。『サマーウォーズ』よりも上にすべきかも、という感情だってある。でもその自分の気持ちがまだぜんぜん整理ついていなくて、もっと観てみないと何も言えないなあ、ということでこの位置に。次に劇場で観たあと――ええ、また観られると信じていますとも――、もっと上にいくかもしれないし、下に行くかもしれない。とにかくもう一回映画館で観たい。
 『SR/サイタマノラッパー』はウィークエンドシャッフルを聴き、ヒップホップの勉強をした*1あとで出演者トーク&ライブつきで鑑賞するという最大級のドーピングをしていたことは一応断っておく。でもこの位置より下はありえない。あのラッパーたちのように、勝算はないけどやるしかねえんだ、という覚悟を少しでも心に抱きたい。
 『母なる証明』と『レボリューショナリーロード』は説明不要だろうから飛ばす。いやこの二作がトップでもぜんぜんかまわないわけです。これ以降は個人的な思い入れのほんのちょっとした差。日によってころころ変わると思う。
 4位は『ヱヴァ破』。いろいろ考えなきゃいけないことはあるけれど、90年代から10年以上をとびこえて、ふたたび綾波を全力で救おうとしたシンジくんの姿に敬意を表して。この映画がぼくにとっての『帝国の逆襲』になり、Qにおけるカヲルくんがイウォーク族的なことにならないといいなあ、と思う。いやぼくイォークも好きだけども。
 3位の『愛のむきだし』は、とにかくめっぽう面白いことに加え、ヨーコの「透明な戦争」っていうイメージだとか、ここ数年の社会に感じる空気みたいなものを濃密に反映していたことが印象的だった。2位の『精神』は去年いちばん思考を促された映画。人間というものをもっとよくよく考えてみなけりゃいけないな、としみじみ思わされた。
 映画に感じる重みみたいなものは、『愛のむきだし』と『精神』の二本が最高にずっしりしていた。でもそういう重さはなくとも、去年一番楽しく観た、一番好きな映画はなんといっても1位の『サマーウォーズ』なのだ。毎年自分のベストは、繰り返し観たくなるか、病めるときも健やかなるときも常に身近においておきたい映画かどうか、という点をもっとも重視しているので、一位にくるのはそういう映画なのです。
 『サマーウォーズ』は、アクションにSFに家族ドラマ、かわいい老人にかわいい子供、負け犬の挽回ドラマ、さらには高校の女王をボンクラ男子が射止めるという学園映画的要素まで網羅しているのに、上映時間が114分という、ぼくにとっては娯楽映画として非の打ち所のない作品だ。この映画を2009年の夏に映画館で観られたぼくは本当に幸せものである。ブルーレイが出たら何とか買いたいと思っているけれど、でも家で観てもあの胸の奥の奥にぐっとくる感じはないんだろうなあ。

 2009年は、いつにもまして自分の背中を押してくれる映画をたくさん観られて、とても嬉しかった。
 映画も小説も音楽も、自分の感情のための踏み台にはしたくない、と思いながら常々鑑賞するのだけれど、でも結局それらのおかげで、どんなにいやな仕事があっても会社に通えたということも事実なのだ。定期的に、カンフル剤のように映画を鑑賞してはやり過ごす日常。2010年も半月を経過して、まったく変わらない現実に毎日うんざりしつつ、でもなんとかそれを打破したい、映画にできるだけ頼らずに生きたい、という意志だけはしっかり守って生きていきたいと思う。