- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1977/03
- メディア: 文庫
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旅は新しい誤解と偏見のためにこそある。僕たちは旅をするとき、より深い理解のためにというようなことは期待しない方がよい……
ええっ、それでいいんすか、と拍子抜けする。決して浅薄なことを言わない、含蓄の深いひとという永六輔のイメージからは遠い、少々いい加減な考え方だ。しかしこのコメントで始まる文章は、こんな言葉につづくのである。
ほかにももっともっといろいろなことがあるのに、ぼくはそこのちょっとした部分しか見てこられなかったんだということを確認することが、全体を理解する第一歩だと思うんです
なるほどなあ。そりゃそうだよね。理解しようとしたって限界がある。それを認識しときつつ、自分のできるかぎりにその土地を楽しむ。次に旅に出るときには頭のはじにメモっておきたい方針である。