こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

コリンズ/ラピエール『パリは燃えているか?』上・下

パリは燃えているか?(上) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

パリは燃えているか?(上) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

パリは燃えているか?(下) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

パリは燃えているか?(下) (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

 膨大なデティールで連合軍によるパリ解放前後を描くノンフィクション。
 連合軍が来た、といってもある瞬間から一気に平和になったわけではなく、はしゃいだところをドイツ兵に見つかって殺される民間人とか、パリ一番乗りをかけて独走してたアメリカ兵がドイツ人と間違えられてレジスタンスに射殺されたりとか、いかに戦争という歴史的事件の周辺にもまこと不条理で人間らしいアホな悲劇が頻出するかというのを思い知らされる。
 同じアホな話でも、外見ダメでちんちくりんな米兵が、パリ解放直後はかわいいパリジェンヌに囲まれてモテモテになったというエピソードなど、心温まるものもあるんだけれども。