こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

丸山真男『日本の思想』

日本の思想 (岩波新書)

日本の思想 (岩波新書)

 マジョリティがマイノリティ意識を持つ(国民の支持を集める保守が「おれたちがこの腐りきった世の中をまもる少数の最後のともしび!」とか考えちゃう)歪みとか、外国文化を取り入れ続けるのに慣れすぎて、どんな文化も「ああそれ知ってるー」と思っちゃう姿勢とか、いま読んでもあーそうだよなーと膝を打つくだりが多い。
 アメコミヒーローを好み、自警団妄想と日々戯れる身としては、「リアリズムが勧善懲悪主義のアンチテーゼとしてだけ生まれ、合理精神(古典主義)や自然科学精神を前提に持たなかった」(p.53)という日本文学分析もおもしろかった。「ニヒリズムが現実への反逆よりもむしろ順応として機能することが少くない。ここでは逆説が逆説として作用せず、アンチテーゼがテーゼとして受け取られ愛玩される。たとえば世界は不条理だという命題は、世はままならぬもの、という形で庶民の昔からの常識になっている」(p.17)なんて、ぼくが日本のヒーローにときどき抱く不満の要因かもなあ。