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こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

4月に読んだ本

2011年4月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1562ページ

■ロード・ジム (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)
ここまで身近な、心うたれる小説とは思わなかった。理想と現実の間で右往左往するジム、冷酷と親密の間でさまよいながら彼とともにある語り手マーロウ、世界を憎む悪役ブラウン……。みな実に現代的な切実さをもつキャラクターだ。さらに、冒険小説の要素と自由な語りが、ポップな空気すら加えている。 失敗とその暴露を極度に恐れるジムのすがたは、そのまま、傷付くのを怖がっているいまのぼくたちにつながる。物語内で語られるとおり、かれはまさしく「私たちの一人」だ。
読了日:04月28日 著者:ジョゼフ・コンラッド
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10864925

■ダブル
CJという架空の新ドラッグによって、ヤクザ社会から遊離した組織を作り上げ、現在の日本社会ではフィクショナル過ぎる活劇を展開させている。各所のアクションシーンの冴えと派手さは実に見事。暗い情念に彩られながらも、あくまで娯楽作として読み手を楽しませるバランス感覚もいい。個人的に想起したのは『フェイス/オフ』でした。
読了日:04月20日 著者:深町 秋生
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10739765

■星の、バベル〈下〉 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
後半の大部分を占める議論パートのスリリングさといったらもう!最終盤のカタルシスとエンディングがそのぶん印象薄いのだけれど、上巻で広げはじめた風呂敷を最大限に拡張する大ホラ吹き振りに降伏せざるをえない。
読了日:04月17日 著者:新城 カズマ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10688824

■星の、バベル (上) (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
ポスト911で言語SFで民族紛争で、わおこれって超早かった『虐殺器官』じゃないの(あるいは日本SFの言語学好きに則った伝統芸能?)、と安直に興奮しつつ以下下巻。
読了日:04月15日 著者:新城 カズマ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10688738

秋葉原事件―加藤智大の軌跡
未知の事実を多数含み、事件への多角的な視点を与えてくれる労作。ただ、いっけん非常に禁欲的に書かれた「記録」にみえるが、随所に書き手の想像が挟み込まれている。抵抗しても想像を掻き立てられていくこの感じ、この空気こそがあの事件のキモの一つのように感じられるので、これはこれでよき本だとは思うのだが…。
読了日:04月06日 著者:中島 岳志
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10533065


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