こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

1月に読んだ本

2012年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3502ページ
ナイス数:16ナイス

ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
淡々としたシミュレーション文章(not小説)なのではという先入観を抱いていたわたしがばかでした。なんだよ謀略小説じゃん!興奮して読んだ。ずっと苦手意識をもっていて二年くらい積んでおいたわけですが、伊藤計劃経由でエスピオナージュ系の読みをしてぜんぜん問題ない娯楽小説。
読了日:01月04日 著者:ウィリアム ギブスン,ブルース スターリン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15557425

ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
さすがに、ぼくくらいに歴史の知識がないと、頻出する固有名詞等を飛ばし飛ばしで読まざるをえないんだけれど、それでも充分おもしろく読めた。たぶん黒丸尚文体のおかげ。
読了日:01月04日 著者:ウィリアム ギブスン,ブルース スターリン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15666602

■赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)
読了日:01月09日 著者:庄司 薫
http://book.akahoshitakuya.com/b/4122041007

■ミッション・ソング (光文社文庫)
ル・カレ恐るべし。初期作とは別人のような筆致で驚く。翻訳によるものでもあろうけど、紳士的に語りかける文体が心地よい。もともと見えにくい美点としてあったイギリス文学のロマンチックな味わいがその語りによって増幅され、こちらの耳に、心に響く。サスペンスとしても小説としても一級に好きです。
読了日:01月09日 著者:ジョン ル・カレ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15672223

ふうらい姉妹 第2巻 (ビームコミックス)
一巻目読了時のあの新鮮な感動はさすがに薄れど、相変わらず二人ともたいへんかわいいので満足。だんだん姉の扱いが粗くなってきてるのが少々心配ですが。このくらいのアホの子はもっとたいせつにして!斜井田と替わりたいと心の底から思う。
読了日:01月16日 著者:長崎ライチ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15825425

■殺人者の顔 (創元推理文庫)
ヴァランダーの情けない私生活ぶりは非常に身につまされる。情けない、とはいえいいこともあるんだけども。簡潔な文体ながら、主人公を含む人々の描写は深い。後半にゆくにつれ、季節の流れと事件の進展に従ってその冷え冷えとした描写の味わい深さは薄くなってゆくが、主人公のこの先を読みたいと思うには充分の一作。四巻が最高と知人にすすめられたので、ゆっくり読んでいきたい。
読了日:01月16日 著者:ヘニング マンケル
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15842966

■スクールボーイ閣下 (1979年) (Hayakawa novels)
すでにTTSSでル・カレ先生の焦らし術に慣れた身ゆえ、どんなに物語のわかりやすいドライブ感がかからずとも、じりじり這うように読み、堪能した。読了後、やはり本作もまた、悠長に思えた細部こそが物語を駆動させていたことを思い知る。冒頭の香港記者クラブの馬鹿騒ぎが、こうも味わい深いものになるとは。/他の作品同様に本作も切なくロマンティックだが、没落貴族と虚言癖の安い女が中心に据えられたことで、より容赦のない刹那的なロマンの度合いが増している。彼らが決して美化されないために、いっそう心が強くうたれたように思う。
読了日:01月26日 著者:ジョン・ル・カレ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16056053

■ミレニアム2 火と戯れる女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
第二章のタイトル「ロシアより愛をこめて」で、おやこれは国際諜報話が絡んでくるの?どうなの?という期待がほんのり。
読了日:01月30日 著者:スティーグ・ラーソン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16163632

■ミレニアム2 火と戯れる女(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
いやあ怒涛怒涛。実在ボクサー登場とか、「ターミネーター・モード」なんていう言葉遣いとか、一抹のダサさをどうしても感じちゃうのではありますが、むろんそれは些細なこと。倫理観のバランス、男と女のことを語るときのダサくなささはすばらしいからだ。p307の小児性愛者のエピソードなど、やさしくていいなあと思う。
読了日:01月30日 著者:スティーグ・ラーソン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16163778


▼2012年1月の読書メーターまとめ詳細
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