こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

5月に読んだ本

2012年5月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3449ページ
ナイス数:16ナイス

■スパイだったスパイ小説家たち (新潮選書)
ル・カレの項のみ読む。現実を否定し自分と周囲を騙し続けた父親との関係、ロマンティックなスパイ生活を求めた若い日々、など、ル・カレ作品を読むにあたっての足がかりになるエピソード多数。特に父との関係、TTSSの少年ビル・ローチのモデルのあたりには、心を打たれる。
読了日:05月01日 著者:アンソニー マスターズ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18603046

■モスクワ、2015年〈上〉 (扶桑社ミステリー)
理想と女に憧れる、運命に身をまかせた色男の軽妙な語り――これほど重い物語なのに、それでもまだ軽妙!――に心地良く酔う。猟奇殺人に影武者にテロリストの妻、適度に入り乱れるプロットが楽しい。いったいこれからどこへ向かうんだ。
読了日:05月03日 著者:ドナルド ジェイムズ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18683674

■モスクワ、2015年〈下〉 (扶桑社ミステリー)
強引にたとえると、ウォッカ好きな楽天家のエルロイという感触。イギリス人にこういう小説を書かれて、ロシア人はどう思っているのだろう..という、非"当事者"による娯楽作品特有のモヤモヤはあれど、傑作は傑作です。長編小説でしかできない終盤の展開にはたいそう興奮させられました。どの人物の造形もうまいとしか言いようがないけれども、もっとも感嘆したのはユーリャ。いやはや。
読了日:05月05日 著者:ドナルド ジェイムズ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18750569

■狂犬は眠らない (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 14-1)
各人が狂気に陥った過去のエピソード、そしてその回復の兆しを描く終盤手前までくらいは、まこと青く甘く痛烈な911後の切ないスパイ物語になっていて、帯の「バカミスアワード受賞」になんだか腹が立っていたくらいなんだけど(ふつうに泣ける話じゃねえか!とか)..。いや、まあ、その..これは確かにバカミスと言われても仕方ないかもしれない..。でもこの関節外す感じが総じてぼくは好きです。
読了日:05月13日 著者:ジェイムズ・グレイディ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18944455

■極限捜査 (文春文庫)
傑作。前作に続く生き生きとした脇役たち、序盤の開放的な雰囲気が楽しいがゆえに、終盤に淡々と語られる地獄が際立つ。本作ではあくまで日のあたる側に立つエミールのキャラクターを理解しているといないとでは味わいが違うので、ぜひシリーズを通して読んでほしい。/ストレスフルな環境で性と暴力にのめりこんでいく主人公は、しかしどこか機械的にその陰惨な道を歩くようにも見える。他の警察小説(たとえばエルロイ)とは、似て非なる暴力性へのアプローチだと思った。
読了日:05月15日 著者:オレン スタインハウアー
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19264065

■未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち
ヴィドックソサエティの存在、三人の中心人物の生き様に興味はおぼえるし、なかなかに読ませはするけれど、どうにも仕立てが悪い。決定的証拠が得られない事件・犯人の取り上げ方が扇情的かつ一方的にすぎる。短い章立ても、概ね冒頭でミステリアスに盛り上げるものの、焦点が絞られないままに散っていくことの繰り返しという印象で残念。この大部をまとめる一貫した視点や思想、文体がないのが失敗の原因と思う。
読了日:05月17日 著者:マイケル カプーゾ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19125140

■聴くシネマ×観るロック
シャマランやリチャード・ケリー、あるいはキャメロン・クロウといった、ボンクラ映画好きの男子も眉をひそめがちなトゥースウィートな作品群への愛こそが、他のボンクラ映画推しの文章とは異なる稀有な持ち味となっている本であり書き手なのだと思う。テン年代が終わったら続刊がまた出るのだと信じて待ちたい。
読了日:05月18日 著者:長谷川 町蔵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19125328

■天使は容赦なく殺す
帯の惹句のテンションと、序盤の抑えたペースの差に戸惑っていたのですが、いやはやなるほど中盤以降はまさに怒涛。その怒涛の印象でつい読後は「いかにもアメリカ人の描いたイギリスのスパイって感じだねえ」とか思っちゃうんですが、そこに至るまでの駒の配置の巧さ、会議室サスペンスや主人公以外の陣営の描き込みがあってこその昂奮。そういう玄人的うまさとケレン味が双方楽しめるので、スパイ小説初心者にすすめたいと思った。タラ・チェイスの魅力については個人的にカヴァーの広江礼威先生による底上げのせいで冷静に判断できないので、次作
読了日:05月25日 著者:グレッグ ルッカ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19264556

■ミステリマガジン 2012年 06月号 [雑誌]
なんだか古色蒼然とした誌面(特にブックガイド部分)だなあと思っていたら基本的に古き良き英国冒険小説の流れを(なかば無意識に?)中心においた特集なのだった。まあこれはこれで楽しいけど、『冒険・スパイ小説ガイドブック』から全然更新されてないこの感じはちょっとどーよと思わないではない。911も起きてない感じ。デイヴィッド・マレルの短編はよかった。
読了日:05月28日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19294615


▼2012年5月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/99009/matome

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