次が正念場かもしれない。
ハビエル・バルデム演じるシルヴァは、ボンドたちを翻弄する知能犯としては非常に厄介な敵だったけれども、倫理的には容易に「敵」と判断できる、わかりやすい男だったと思う。
Mが言うように、ジェームズ・ボンドが対峙する敵は、彼のような個人的動機を抱えた人間であるべきだ。それも、彼の倫理観を揺るがすような。自ら覚悟をもって悪を選んだ誇り高き敵を、ボンドは撃てるのか?という。
シルヴァの出自*1は一度使ったらとうぶんは禁じ手になると思うので、今度は外部の敵にしなきゃいけない。でも、『トゥモロー・ネバー・ダイ』のメディア王とか、ああいう感じの「個人」もつまんないし…。
案その一。
ロシアだって中国だっているわけで、真正面から国家の戦いをやる。ロシアFSBのエージェントとボンドが一人の女をめぐって戦うのだ。
案そのニ。
個にこだわる。
『ピースメーカー』がいまいちやりきれなかった、「同情できるテロリスト」系のお話をやる。マロリーがSAS時代にサラエボで救った女が、かつて自分たちの惨状を見過ごした欧米諸国への復讐のためにハイジャックを(以下略)。
敵役はティルダ・スウィントンお姉さまを想定しています。
- 作者: ゴードンスティーヴンズ,Gordon Stevens,藤倉秀彦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
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案その三。
ジェームズに少し休んでもらう。
シャーロット・ホームズ的な、女子版ジェームズ・ボンドというのはすでに探求済みの題目なのでありましょうか。
— てぎさん (@tegit) 12月 1, 2012
「私の名前はボンド。ジェイミー・ボンド。テロの巻き添えで逝った両親の遺志を継ぎ、外交官を目指す学生だ。ある日、育ての親であり大学の指導教官だったコーンウェル先生が、私の目の前で拉致された。先生を攫った一味を追う私の前に現れたのは、絶縁状態だった遊び人のおじ、ジェームズだった…。」
— てぎさん (@tegit) 12月 1, 2012
もう5年くらい前だったらアン・ハサウェイでゴーサインが出てたと思うんですけどね……。いや正史で無理でもワーキング・タイトル製作あたりでどうすか! ダニエル・クレイグが無理ならピアース・ブロスナンで!
というわけで、真面目なことを考えつつも色々妄想が膨らむ、楽しい映画でした!ここ一年間ちょいのスパイ・フィクション浸りの末尾にふさわしい傑作でしたよ!(末尾いうてもスパイ好きは終わらないわけですけど)
*1:ボンドと共通しているのは、Mの部下ということだけでなく、イギリス周縁の裕福な家庭、というのも含めていいかも。