こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

12月に読んだ本

2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:3252ページ
ナイス数:23ナイス


サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)感想
抜群の記憶力と判断力、戦闘技術を持ちつつも心身の傷のために内にこもる24歳、ロマコメ好き...。なんというミステリ好き男子キラーな主人公でありましょうか。そういうちょっとポップですらある造形に、絶え間ない緊張感と寂寥感を維持させ続けた筆力がみごと。この甘さはさほど好みではないけど、嫌いじゃないです。よかった。
読了日:12月5日 著者:T・ジェファーソン・パーカー


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)感想
読んではいけないものを読んでしまった気がする。ああ、おれたち人類はきっとこうやって滅んでいくのだ、と思わざるをえない。しかしこの絶望の書を著す人がいたことこそが、反転して希望になりうる――岡和田晃伊藤計劃論を借りればそういうことになるだろう。
読了日:12月7日 著者:ジョージ・オーウェル


暗殺者グレイマン (ハヤカワ文庫 NV)暗殺者グレイマン (ハヤカワ文庫 NV)感想
文句なく面白かった!...のだが、これは冒険小説の歴史からみるとかなり得意なしろものと思う。<小説>の外、ゲームや映画、漫画における<冒険小説的なもの>と渡り合うために限界までチューンナップされた<非・冒険小説>、といった感。ゆえに古参ファンでなく、ジェイソン・ボーン三部作や『コール・オブ・デューティ』シリーズにはまっている冒険小説ファン予備軍にすすめたい<冒険小説>と言えましょう。
読了日:12月14日 著者:マーク・グリーニー


悪徳の都〈上〉 (扶桑社ミステリー)悪徳の都〈上〉 (扶桑社ミステリー)感想
ハンター追っかけ再開。チーム特訓と襲撃のワクワクの合間に挟み込まれる、短くも深く共感できるアールの弱さの描写がいい。ギャングたちの祖先の強調、若者や伝説の捜査官との擬似親子関係などによって、スワガーの「父」の物語が立体的に構築されていく。
読了日:12月19日 著者:スティーヴンハンター


悪徳の都〈下〉 (扶桑社ミステリー)悪徳の都〈下〉 (扶桑社ミステリー)感想
エピローグのある暗殺には少々しっくりこないものがあるが、それも含めて父子の物語がかっちりと描かれたという印象。ショートにヘンダスンの若手二人はいいキャラだが、このあとも出てくるのかな?
読了日:12月23日 著者:スティーヴンハンター


容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)感想
『秘密』以来久々に東野圭吾を読んだ。こりゃ売れますし評価されますわねえ。大長編よりもタイトでしかし読者をきっちり振り回し、シンプルかつ派手なトリックも使ってで文句のつけようなし。いやはや面白かったです。
読了日:12月25日 著者:東野圭吾


戦争の犬たち (上) (角川文庫)戦争の犬たち (上) (角川文庫)感想
今や傭兵=下劣なPMCという印象が強いけれども、1974年発表のこの小説では、自らの信念ももった、誇りある自由の騎士というロマンティックなイメージ。鉱山を発見する技師もアフリカにとりつかれた冒険野郎で、悲惨な内戦を描きながらも、アフリカや冒険にロマンスを充分抱けた時代だったのだなあと感じる。
読了日:12月26日 著者:フレデリック・フォーサイス



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