こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

『ハスラー2』


 で、そんな名作『ハスラー』の25年越しの続編が『ハスラー2』でした。監督はマーティン・スコセッシ!予告編も超クール!

 前作のラストで勝負師としての命運を絶たれたエディは、酒の卸問屋として細々と食いつないでいました。初老の域にさしかかり、新たな恋人もい、そろそろ晩年の過ごし方を考えようかというころ、すさまじい天才性を発揮する若きハスラー:ヴィンセント(トム・クルーズ)と出会います。彼の才能に惚れ込んだエディは、ヴィンセントの相棒であり恋人であるカルメン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)とともに、ハスラー稼業の旅に出ます。
 前作『ハスラー』も語りの早さ、気持ちよさが印象的でしたが、こちらもまた、1986年のスコセッシならでは、という別種の速度で突っ走ってくれます。気持ちいい!
 初老のエディと対照的に、ヴィンセントはビリヤード以外能のない、気がよくってバカっぽいチンピラ野郎。彼になんともふさわしい、ポップでバカでキュートなこの曲を口ずさみながら超速プレイをキメてみせるシーンはすんばらしいの一言です。

 ただこの映画、そんなトムの映画かと思いきや、やっぱり『ハスラー』というタイトルを背負って立つ疾風のエディ、ポール・ニューマンの映画なんですね。そういう意味では、原題の"The Color of Money"より邦題『ハスラー2』のほうが断然良いと思う。
 もちろん、エディとの旅を通じて成長していくヴィンセントも映画の中央付近にはいるのですが、主に描かれるのはあくまでエディの再起と成長なのでした。演じるポール・ニューマンが本作でアカデミー主演男優賞をとっているだけはある。

 最近『トップガン』の続編が準備中、なんて噂がありまして、正直不安しかないわけですけれども、『ハスラー2』をポール・ニューマンとともに作り上げたトムならもしかしたら、こんなすばらしい続編を作ってくれるかも、という希望が……いや『ハスラー』ほどのすばらしさは『トップガン』にはないわけで、いや、えーと、うーん……まあでも一縷の望みはあるかもね!