こんばんは。そろそろゴールデンウィークも間近というところですが、いかがお過ごしですか。もうすっかり暖かくなって、すっかり春ですね。
春は別れと出会いの季節。いろいろな物語が終わり、そして始まる季節です。お忙しい時期だとは思うんですが、ちょっとお時間いただけますか。
あ、秋も聞いたって? いやー、そうですね、そういえば去年の11月にも同じような記事を書いていたのでした。
まあ、言いたいことはあのときと同じです。
あなたに、Aqoursのライブを観てほしい。
あのときは、いろいろとAqoursのPVやライブ映像、それにアニメの物語を観てもらってご説明したんでした。どうでしたかね、あのときあなたは、ライブビューイングの会場へでかけてくれたでしょうか。
あのときは、「10分でわかる、今日あなたがAqoursを観に行くべき理由」なんてタイトルを記事につけてました。でも今回はもう10分もいりません。なんの説明もいらない。
だって、ライブを観てもらえればそこに全部答えがあるからです。
なぜあなたはAqoursのライブを観るべきなのか?
それはライブにある。
明日のライブを観てもらって、それでわからなければ、もうしょうがないです。あなたとAqoursの間に通じあうものがなかった、ということです。それを越えてまで無理に好きになれとは言わない。
だから、まずは、明日――というかもう今日ですが――のライブビューイングを観てほしい。今晩だけでいい。あなたの今晩の三時間くらいをAqoursにあげてほしい。
…え?意味がわからない?
どういうふうにいいライブなのかがわからないと出かける気にならない?
じゃあもう少しだけ補足しておきましょう。
明日行われるのは、Aqoursにとって初のアジアツアーの千秋楽、ソウル公演です。
台北、上海、いちど日本に戻って幕張、そしてソウル。
これまでもAqoursはアジアでイベントを行ってきましたが、このようにボリュームのあるライブツアーは初めてのことです。そしてそれにふさわしく、Aqoursの活動の初期の魅力を再構成してぎゅっとまとめたようなものになっているのです。
今回のライブツアーのコンセプトは、フィルムコンサートです。
そもそもAqoursの主要なライブは、アニメの物語に沿ってアニメPVをキャストが再現することを主眼としています。テレビアニメは一期・二期と30分×13話のシリーズが二本製作されており、すでに国内ではそれぞれの物語に沿ったライブが行われてきました。今回のアジアツアーでは、国内で2017年2月に行われるファーストライブで描かれたアニメ一期の物語に沿った演出がなされます。
17年2月のファーストライブは、当然のことながらAqoursにとってはじめての長時間・大規模会場でのライブでした。そのパフォーマンスは観るものを十分満足させてくれるものではありましたが、Aqoursはその後3回のナンバリングライブを経験し、歌唱やダンスといったライブを構成する技量を向上させてきました。
また、アニメ二期に加え劇場版とそれぞれに充実した物語、さらにライブにとどまらない各種のイベントを経て、AqoursはAqoursとしての経験を積み、より強く結びつくチームに育っていった。
そのような現在のAqoursが、自身の活動の初期を形作ったアニメ一期の物語と楽曲をふたたび演じるわけです。その結果、まず、ライブとしての見ごたえが非常に高い。
更に、海外公演であるためでしょう、楽曲と楽曲のあいだにキャストによるMCは挟まれず、アニメの映像だけがAqoursのパフォーマンスの間をつないでいきます。このため、アニメと楽曲で語られる物語がより濃密に、純粋に伝わってきます。アニメの編集もよく考えられていて、もとよりすばらしい物語であるアニメ一期の魅力が一層増しています。
まとめると、こういうことになります。
今回のAqoursアジアツアーでは、能力も魅力もレベルアップした今時点の最高のAqoursが、自分たちの物語をもう一度語ってくれます。それは、Aqoursのライブをこれまで観たことのなかった人にとって、最高の入り口である、ということです*1。
ファンのなかには、今回のライブを「リマスター」と表現する人もいます。かつてリリースされた音源をよりよい技術でブラッシュアップすることですね。こんな喩えはいろいろできそうです。ベテランのバンドが、インディーズ時代の楽曲をハイクオリティで演じ直す。オフ・ブロードウェイの演目が、評判を読んでより大きい小屋で演じ直される。熟練の料理人が、シンプルな定番料理を作る…などなど。もちろん、そのような演じ直しではなく、プロトタイプの無骨さや純粋さを評価する向きもありましょうが、しかしそれは玄人好みというもの。Aqoursに初めて触れるという人には今回のライブをぜひ観てほしい。もしそれでもピンと来ないのならもうしょうがない。冒頭で言っていたのはそういうことです。
季節は春です。
あなたはどんな4月を過ごしていますか。ドラマティックでもなく、輝いてもおらず、ただの普通の4月だよ、とあなたは言うかもしれない。
でも、Aqoursもまた、自分はただの普通の人だ、と思っていた少女たちによってかたちづくられたのです。
高海千歌という一人の少女が、自分のなかに灯った憧れという初期衝動を解き放つ。そして彼女が放った熱が、自分のしたいことを見失った人、自信を持てず殻を破れない人、かつて傷つけあって別れたともがらたちを、Aqoursという名前のもとに、集めてゆく。
よかったら、あなたにもそのAqoursという存在を、その物語を、知ってほしい。
明日のライブを、観てほしいのです。
*ライブビューイングの情報はこちら。
まだかなりの映画館でチケットを確保することができます(チケットは各劇場の窓口やウェブサイトから購入できます)
*Aqoursの楽曲の魅力をコンパクトに知るなら、最近ならこんな記事もありました。
*むちゃくちゃ我田引水…ていうかAqoursのメインキャストでもないけど自分の大好きな山村響さんについてAqoursと絡めて書いた記事がこちらなんですけど、今回のアジアツアーでは山村さんの出演している部分のアニメが流れるのでむちゃくちゃ感動しておりました。きみも映画館の音響で山村さんの声を聴こう!