こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

『黒澤家研究』第3号刊行のお知らせ

<2023年8月16日追記>

 pictSPACEの個人情報漏洩事件に伴い、ショップを一時閉鎖しました。

 また、過去にpicSPACE通販をご利用いただいた方には、アカウントのパスワード変更とSNS等連携のカットを行うことをおすすめいたします。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。

 通販は引き続きBOOTHで継続します。

 

<2023年8月13日追記>

 ネット通販について、pictSPACEのサンプル画像を一部追加するとともに、閉鎖していたBOOTHを再開しました。pixiv社のハラスメント事件については、pixiv社は全面的に非を認めて賠償と改善に応じているようなので、利用を再開してもいいかな、と思った次第です。

 第3号の刊行から2年経ってしまって、第4号刊行の見通しも立てられず、自身の非力ぶりに呆れるばかりです。廃刊にはしたくないので、細々頑張っていきたいです。

 

<2022年7月16日追記>

 ネット通販サービス「pictSPACE」で通販を再開しました。

 以前はboothを使っていましたが、boothを運営するpixiv社内のハラスメント事件とその後の対応についての問題を鑑み、同社のサービスを使用したくなくなりましたので、乗り換えた次第です。

 pictSPACEも匿名配送でのお届けとなります。

 ご関心がありましたら、下記より詳細をご覧ください。

pictSPACE もやしブックス:https://pictspace.net/moyasibooks

『黒澤家研究 第三号』個別ページ:https://pictspace.net/items/detail/273869

 

(2022/06/01追記)

pixiv社におけるセクハラへの抗議としてboothの公開を中止しています。もういないとは思いますが同人誌がほしいという奇特なかたはコメントかTwitterでコンタクトください。

 

(2021/07/18追記)

 おかげさまで、7月17日に無事に刊行し、通販でお申し込みいただいた方々へ発送を行っています。もちろん今後も通販は続けます。

 感想受付フォームとして、「マシュマロ」を開設しています。どんなことでも結構ですので、リアクションいただけたら嬉しいです。

marshmallow-qa.com

 

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 同人誌『黒澤家研究』第3号の刊行をお知らせします。

 前回の第2号が2018年10月の刊行でしたので、二年半ぶりの刊行となります。自分でもここまで長くかかるとは思っていなかったので、まずは刊行にこぎつけられたことを喜んでいます。
 内容も時間をかけたぶんよりよいものになっていればよいのですが、毎度のごとく、あまり自信はありません。ただし、総ページ数が90ページと、第1号・第2号の三倍くらいのボリュームになりましたので、物量は確実に過去最高のものになりました。

 

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『黒澤家研究』第3号表紙イメージ

 今回は同人誌即売会ではなく、ネット通販で頒布します。今までも、即売会に参加できない方から通販のお問い合わせをいただいていたことが何度かあったので、通販の実施は一つの目標でした。新型コロナウィルスの感染拡大が収まらないなか、同人誌即売会への参加はどうしても前向きになれず、はからずも通販をスタートすることとしました*1

 というわけで今回の記事では、同人誌の中身と通販方法をざっとご紹介したいと思います。目次と簡単な書誌情報は以下の通りです。

  • 黒澤家の「宝」をめぐる探索(筆者:てぎ)
  • 戸田で出会ったもの(素人ランナー)
  • 補足編 「諸口明神」探訪記(素人ランナー)
  • 国木田花丸の本棚・全点解説 第二回(てぎ)
  • 執筆者紹介・あとがき

  2021年7月刊行 判型:A5 頁数:89ページ 頒布価格:600円
  (価格は今後のイベント頒布時等では変更する可能性があります)

 

■黒澤家の「宝」をめぐる探索

 2019年10月に本ブログに掲載した「黒澤家の「宝」とは何だったのか/『HAPPY PARTY TRAIN』オーディオドラマから考える「時代」のこと」*2をもとにした論考です。52ページ。

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「黒澤家の「宝」をめぐる探索」冒頭1ページのご紹介

 

 ブログ版での終盤パート(「「そのような時代」の人々」)を中心に、大量の加筆を行っています。
 オーディオドラマの内容から黒澤家のご先祖さまのことを推測していくだけでなく、そこで推測される「時代」に生きる黒澤家のご先祖さまのことを想像するために、同時代の明治・大正の人たち(女性たち)のことをひろく考えていく、という内容が非常に多くなりました。自分でも「これはもう『ラブライブ!サンシャイン!!』の同人誌って言っちゃいけないんじゃないんですかね…」と思いながら書いていた部分が多いです。果たしてそのあたりがどのように読者のみなさんに受け止められるか、心配です。
 章立てはこんな感じ。

●「宝」の時代を探る
●「時代」を生きた人々
・「女学校」に集った人々のこと
・黒田チカという人のこと
・西崎花世という人のこと
・笠井彦乃という人のこと
●少女たちと移りゆく時代
吉屋信子のこと
少女小説のこと
・現代のこと
・JAなんすんのポスターのこと
●最後の謎

 『ラブライブ!』のファンは「誰??」という反応をしそうな人名があがっております。実在の人物とフィクション内の人物を繋げて語るというのはあんまり好みではないのですが、今回は掟破り的にやってしまいました。自分としては一線は守っているつもりです。名前やキャストの関係をきっかけに取り上げましたが、キャラクターと実在の人物を、必要以上に重ね合わせるようなことはしないよう努力しました。むしろフィクションと現実の違いを際立たせたかったのです。
 また、明治・大正に生きていた女性たちのことを考えていった結果、どうしてもJAなんすんのポスターのことに触れざるを得なくなりました。特に新しいことは言っておらず、ブログの一連の記事*3からわたしの考え方は変わっていません。ただこれらの記事では考えなかった方向から再検討できてよかったです。この件に触れるのはこれが最後になるかなと思います。
 ほかにも、沼津を舞台にした大ベストセラー少女小説についてだとか、脱出ゲーム「孤島の水族館からの脱出」についてだとか、話はそこそこ広くひろがりました。
 『黒澤家研究』1号・2号のように、黒澤家や沼津のことを掘り下げるものを期待している方には期待はずれになっているかもしれません。自分としては、「黒澤家」の「家」というものを考えるうえでの入り口を固める経験にはなったかな、と思っています。
 そして自分としては、「黒澤ダイヤのことを考え続ける」という点では一貫できているという自負もあります。
 みなさんのお口にあえばよいのですが……。

 

■「戸田で出会ったもの」「補足編「諸口明神」探訪記」(素人ランナー)

 前号に引き続き、素人ランナーさんに寄稿いただきました。しかも二編です。豪華!

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「戸田で出会ったもの」(素人ランナー)冒頭1ページのご紹介

 「戸田で出会ったもの」は、素人ランナーさんが戸田を訪れた際に出会ったあるモノが話の発端となります。戸田造船郷土資料博物館で展示されていたそれは、戸田の諸口神社に古くから伝わる仏具「鰐口」(わにぐち)でした。そのルーツが、自身ゆかりの地・埼玉にあるらしいという偶然に驚く素人ランナーさん。遠く離れた埼玉と沼津・戸田を結ぶものとはいったいなんでしょうか。
 先行研究を読み込んで推論を組み立てていく本編に続けて、「補足編「諸口明神」探訪記」では、その鰐口にゆかりのある埼玉の「諸口明神」を探し出す探索行も楽しんでいただけます。
 本誌のあとがきにも書いたのですが、鰐口をめぐる調査のなかではわたしにゆかりのある土地の名前も登場してきたりして、世間の狭さを実感しました。
 沼津に限らず、「聖地」と呼ばれるものを訪問するとき、わたしたちはつい非日常のものを求めてしまうわけですが、非日常の場所のなかに意外にも日常の場所とのつながりを見つけられることもあるし、そういう発見ってとってもわくわくするものだな、と思います。次に沼津へ行ったときは、もっといろいろなことに目を凝らして過ごしてみよう、と思える素敵な記事です。もちろん、沼津の郷土史にマジなみなさまにも自信をもってお届けできる内容です。

 

国木田花丸の本棚・全点解説 第二回(てぎ)

 第2号から始めた連載企画の第二回です。

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国木田花丸の本棚・全点解説 第二回」冒頭1ページのご紹介

 冒頭はゆるゆるな感じですみません……。

 今回、ようやく芹沢光治良『人間の運命』の中盤までを取り上げました。意外に、メイン記事「黒澤家の「宝」をめぐる探索」のほうにもうっすらと繋がっていくような内容になりました。沼津・内浦で始まった一人の男の一代記が、明治以降の日本全体を描く小説としても読み解けるものになっている、という面白さをわずかながらでも知っていただけたら嬉しいです。
 また今回は、国木田花丸さんが読んでいる作家としてカズオ・イシグロを取り上げました。邦訳された全作を読み込んだうえで書きました!と言うつもりが、もたもたしているうちにイシグロの新作(『クララとおひさま』)が出てしまってびっくり、という感じです。
 加えて、『黒澤家研究』第1号でも大いに論文を参照させていただいた内浦の漁業史の専門家である渡辺尚志氏の『海に生きた百姓たち』も簡単にご紹介しています。こちらも刊行からかなり経ってしまいましたが、わたしが薦めようが薦めまいがマストな一冊ですね。

 

■執筆者紹介・あとがき

 あとがき(編集後記)を印刷所への入稿締め切り前日に書き上げ、その勢いで入稿を果たし、その数日後にこの紹介文を書いているんですけど……いや、編集後記とはいえちゃんと日にちを置いて入稿すべきですね……推敲大切……という気持ちでいっぱいです。書き直したい。
 毎回あとがきは字数制限を厳しくし、短く熱のあるものにしよう、と思って書いているんですが、今回は二年半かかっただけあって書きたいことがたくさんあり、文字数を増やしてしまいました。でも結局伝えたいことは全然書けていないとしか思えないんだよな……。編集後記の編集後記を書きたい、反省会をやりたい、という思いが日増しに強くなっております。そのうちやるかもしれません。

 

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 というわけで、このような内容の『黒澤家研究』第3号、現在ネット通販サービス「booth」にて、通販を行っています。
 現物は7月16日ごろに印刷所から到着するので、致命的な誤植や乱丁などがないかぎり、17日ごろから発送を開始します。すでに注文は可能ですが、お手元への到着には少々お待ちいただくことになります。
 あわせて、『黒澤家研究』創刊号・第2号の通販も開始しました。過去のものを持っていないかたは、まとめて注文すると送料がお得ですのでぜひこの機会にご検討ください。
 なお、商品の送付には、送付元・送付先の住所・氏名等の個人情報をお互いに明かさないで済む匿名発送サービス「あんしんboothパック」を使用しています*4。てぎに個人情報を握られたくないな……というかたも安心してご利用ください。

 boothへのリンクは以下の通りです。サークル名は「もやしブックス」です。

 

もやしブックス boothショップ:https://moyasibooks.booth.pm/

moyasibooks.booth.pm

『黒澤家研究』第3号 個別商品ページ:https://moyasibooks.booth.pm/items/3094260

moyasibooks.booth.pm

 

 というわけで、ご注文をお待ちしております。部数はそれなりにたくさんあるのでごゆっくり。そして到着後はご感想をお待ちしております。よろしくお願いします!!

*1:かといって、第3号を今後の同人誌即売会で販売しない、というつもりでもありません。英米レベルにワクチン接種が進めば、前向きに考えたいなあ、と思っています。今度のアマドリ、参加を迷ってはいるんですが…。やはり第4号の刊行タイミングくらいまで待たないと難しいかも。

*2:https://tegi.hatenablog.com/entry/2019/10/27/234659

*3:JAなんすんのポスターのこと https://tegi.hatenablog.com/entry/2020/02/16/200409 、
「JAなんすんのポスターのこと」のそのあとのこと https://tegi.hatenablog.com/entry/2020/05/31/165216 

*4:住所のうち、大まかな地域のみ伝票に明示されます。詳しくは:https://booth.pm/anshin_booth_pack_guides