テレビ朝日にて、二夜にわたって放送。
佐々木譲ファンとしては、どうなることかとやきもきしていたドラマ化だが、いざ蓋を開けてみれば、いくつかの瑕疵*1はあれどもなかなかの出来。
とくに、清二編の男娼殺害事件の犯人をすぐに明かしたうえで和也編で動機についてより深く描くくだりと、和也編の後半、和也自身が善悪の境界を綱渡りしていくことが強調された部分の二つは、非常にいい改変だったと思う。クライマックスでは一瞬、伊藤英明演じる和也が、ブルース・ウェインばりのダークヒーローに見えちゃったよ。
ところで、一緒に観ていた妻が「「警官の血」は女には流れないのね」と言っていた。
確かにこの物語、男性中心のドラマだよなあ、とは思う。登場する女たちはみんな、妻だったり情婦だったり裏切る女だったり、男にとって何者か、という人物としてしか存在しない。原作ではそれなりに描きこまれていた彼女らの背景が、時間的制約から削られてしまったからではあろうけれども。
ま、それはそれで正しい男のミステリである、という考え方もできよう。エロい場面ではけっこうちゃんとエロい描写をしていて、男の娯楽としては正しい!とも思った。貫地谷しほり、寺島しのぶらが肉感的な色っぽさを出していたのも、正しい!
- 作者: 新津保建秀
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2005/12/12
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*1:ひとつだけあげると、清二編の五十嵐逮捕劇はコントみたいな演出で、泣けてきた