こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

Aqoursとコロナのクロニクル 2021年編

 新型コロナウイルスパンデミックと、Aqoursを中心にした『ラブライブ!』シリーズのことを、時系列順に書いていく試み、その2021年編です。Aqoursと『ラブライブ!』シリーズを愛するみなさんのなにかの足しになれれば嬉しいです。

 

*2020年1月-6月分と、7-12月分の記事は以下の通りです。

Aqoursとコロナのクロニクル 2020年1-6月編 - こづかい三万円の日々

Aqoursとコロナのクロニクル 2020年7-12月編 - こづかい三万円の日々

 

新型コロナウイルスに関することに関しては、多くの資料にあたってはいますが、間違いが含まれる可能性があります。特に医学的な判断に関することなどは、私の間違いもあるかもしれませんし、今後の学術的研究によって日々更新されていくこともあろうと思われます。とはいえ、文責はわたしにあります。

 多数の引用元情報を注のかたちで記載していますが、不明点やまちがいがあればぜひお気軽にご指摘ください。

 また、この辛い二年間のことを思い出すという行為は、人によっては、かなりの辛さを伴うことだと思います。どうか、そういう方は無理せず、記事を読まないでいてください。暖かいお茶でも飲んで、ゆっくり休んで、また明日からの毎日をのんびり生きていきましょう。

 

<目次>

■緊急事態宣言とAZALEA「Amazing Travel DNA~TRY AGAIN~」

■「LET'S GO WONDER TRIP」

東京オリンピックとワクチン

■ユニットライブと「DREAMY CONCERT 2021」

 

♪♪♪

 

■緊急事態宣言とAZALEA「Amazing Travel DNA~TRY AGAIN~」

 2021年、なんという年だったのだろう。
 年が明け、正月休みが終わり社会が動き出すとほぼ同時に、二度目の緊急事態宣言が発令された*1。1月7日のことだ。
 期間は2月7日まで。対象地域は東京・埼玉・神奈川・千葉の4都県だったが、わずか一週間後の1月13日に岐阜県、愛知県、京都府大阪府兵庫県及び福岡県が追加された。2月2日には、3月7日までの期間延長が決まる*2。延長は一度ではおさまらない。地域こそ当初の対象地域である東京ほかの4都県に縮小されたが、3月5日には3月21日までの延長*3が行われた。

 2021年1月、本来であれば、Aqoursは京セラドーム大阪でドームツアーの最終日を迎えているはずだったが、すでにその日程は前年の8月に中止が発表されている*4
 前年末からキラメッセぬまづで開催されていた「ラブライブ!サンシャイン!! 5周年展示会-Pieces of Aqours-」は1月7日まで中止されることなく会期を終えたが、当初予定されていたGOTOイベントの助成が開催前に中止されるという問題も起きた。これに対して、GOTOイベントによる助成が適用されるかどうかに関わらず、適用された場合の割引料金で販売することとした展示会運営の決断は高く評価されてよいだろう。助成対象外となれば、その分の負担はイベント開催者が負わなくてはいけないからだ。
 このときの助成の中止は、イベントへ出かける人の移動を減少させ、感染拡大を抑止するためだった。その点から考えれば、展示会の継続開催と割引金額での販売継続を「感染者増を招くものだ」と考えて批判することも可能だ。 
 前述の通り、直後に緊急事態宣言を発令されるほどに感染者の増えていた関東圏などから沼津へと足を運ぶことに心理的抵抗を感じるファンも一定数いただろう。わたしもその一人だった。結局このとき、わたしは沼津へでかけていない。
 展示会が中止され、ファンが訪れることがなければ、主催者や沼津の観光業界が損失を抱えざるをえないことも明らかだった。イベントを実施すべきか否か。参加するか否か。どのような立場にあっても、「移動すること」「集まること」にかかわすべての人間がなんらかの葛藤を背負い込まなければいけない状況が、このあとも長らく続くことになる。

 

 1月9日に更新された降幡愛のMGプレス*5連載コラムは、「明けない夜はない」と題されている。

 

「先が見えない不安や、我慢しなければならないストレスが、皆さんにそれぞれあると思います。時間は良くも悪くも過ぎていくものです。“明けない夜はない”という言葉もあります。明けた時の喜びは、ひとしおだと思います。
今の私の気持ちを書かせていただきました。引き続き、信州の皆さんのご健康とご多幸をお祈り致します。」

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 淡々と、率直にこのときの心情を綴った印象的な文章だと思う。引用外の部分だが、年末年始、実家への帰省を控えたというくだりも当時の状況を物語る。彼女の書く通り、「明けない夜」はない。しかしこのとき世の中を覆った夜は、あまりに長く続いた。

 

 緊急事態宣言の最初の延長期間に入ってすぐの2月12日、同月の27日・28日に東京都の武蔵野の森総合スポーツプラザでの開催が予定されていたAZALEAのライブ「AZALEA First LOVELIVE! ~Amazing Travel DNA~ TRY AGAIN」が中止されることが発表された。ライブ当日から二週間前のことだった。「現時点での新型コロナウイルスの感染拡大の状況並びに緊急事態宣言延長の状況に鑑み」た判断だったとされている*7。この発表がなされた12日の国内の新規感染者数は1297人だった。緊急事態宣言の初日・1月8日には8045人であったから、大幅に感染者数は減少している。
 この発表から2日後、複数のアニメ・ゲーム関係アーティストが参加するライブイベント「オダイバ!超次元音楽祭」が神奈川県横浜市のぴあアリーナMMで開催され、Aqoursが出演した*8。観客数を絞ったうえでの有観客開催だった。
 さらにAZALEAのライブの予定日から一週間後の3月5日、緊急事態宣言の二回目の延長が決まる*9。これにより、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 の校内シャッフルフェスティバルが予定されていた3月20日・21日も緊急事態宣言の期間内におさまってしまうことになったが、3月6日、校内シャッフルフェスティバルは有観客で実施されることがアナウンスされた*10。緊急事態宣言により来場できない・したくない観客へのフォローとして、希望者への払い戻しも同時に案内された。この会場もぴあアリーナMMだった。

 

 武蔵野の森総合スポーツプラザ、そしてぴあアリーナMMで開催された三つのライブの実施可否が分かれた背景はどのようなものだったか。
 まずは2月27日・28日開催予定だったAZALEAのライブについてみてみよう。
 このライブの会場となるはずだった武蔵野の森総合スポーツプラザは東京都の施設である。東京都のオリンピック・パラリンピック準備局が管轄し、指定管理者制度のもと株式会社東京スタジアムグループが管理を行っている。
 東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、前年2020年12月22日、感染拡大防止策として都立のスポーツ施設における利用を制限することを発表している*11。武蔵野の森総合スポーツプラザの利用についても制限が行われることになったが、このときは「新規予約の中止」のみであり、「すでに予約済みの利用予定団体については、感染防止対策を徹底した上で」の利用が許容されている*12。この利用制限は2021年1月11日までの予定だったが、年明けの国による緊急事態宣言を受けて東京都は年末年始に実施した感染防止対策をそのまま延長することとし、施設の利用制限も続くことになった。AZALEAのライブ中止発表の一週間前に実施された「東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議」の会議資料においてそのことが確認できる*13。    
 前述の通り、利用制限として明文化されているのは新規予約の中止のみであった。AZALEAのライブはまず、2020年10月11日に開催が発表されているが、どのような形式で実施されるかは明らかにされていなかった*14。この発表はAqoursにとっての初のオンラインライブであった「Aqours ONLINE LoveLive! ~LOST WORLD~」の2日目になされている。2020年末の二回目のオンラインライブ(「Aqours COUNTDOWN LoveLive! ~WHITE ISLAND~」)と同時に発表されているから、この時点でラブライブ!側としては「年内は有観客ライブはできないが、年明け2月には実施できる可能性がある」と推測していたと思われる。
 その後、会場が武蔵野の森総合スポーツプラザであることが明らかにされたのは21年1月15日だった*15。ライブ開催まで約一ヶ月を残すのみであり、それまでのAqoursのライブにおいてこのようなタイトなスケジュールでの発表がなされたことはなかったはずだ。20年末からの感染拡大、21年年明けからの緊急事態宣言を受けて、迷いに迷ったうえでの決定・発表だったのではないか*16。武蔵野の森総合スポーツプラザを会場として予約していたのがどの時点だったかは明らかではないが、開催の可否は不確かでも、恐らく20年10月の日程発表時点で予約を行っていただろう。1月15日の有観客開催の発表は、東京都の「12月22日以前から予約されていた利用は許容される」という方針がなければできないことだった。
 2月12日の中止発表に至るまで、この東京都の大きな方針は変更されていない。にも関わらずライブは中止されることになった。ここから先はまったくの憶測でしかないが、そこには、東京都が当時の感染状況をどのように評価していたかが影響していただろうと思われる。
 中止発表の前々日にあたる2月10日、東京都の「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」が開催されている。この会議は前年2020年7月9日に第1回が開催され、以後、おおよそ一週間ごとに開催されている。医師・専門家による東京都内の感染拡大状況の分析と、東京都の対策が報告・検討されている。 
 2月10日の会議*17では、東京都内の感染状況は「感染が拡大していると思われる」、医療提供体制は「体制が逼迫していると思われる」と分析されている*18

 

「新規陽性者数は減少傾向にあるものの、入院患者数は大きく減少することなく非常に高い水準で推移しており、医療提供体制の逼迫は長期化している。重症化リスクの高い高齢者層の新規陽性者数を減らし、重症患者数を減少させることが最も重要である。」

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 1月の緊急事態宣言スタート時に比べると、全国・東京都ともに新規感染者数は大きく減少している(全国:8045人(1月8日)→1885人(2月12日)、東京都:2459人(1月8日)→307人(2月12日))。「それだけ減ったのだからもう大丈夫ではないか」と思ってしまうが、感染した人の闘病生活とその治療は、感染判明から数週間に渡って続くものであり、新規感染者数が減ったからといって、すぐに世の中から患者がいなくなるわけではない。新規感染者数の減少の恩恵が医療機関へと反映されるまでにはタイムラグがある。
 この会議で報告されている「都内主要繁華街における滞留人口モニタリング」*20にも注目したい。渋谷や新宿などの都心繁華街における人出を分析したものだ。これによれば、緊急事態宣言後、夜間の人出は抑制できているが、昼間(ランチ時間帯)は増加が続いていたという。また、前回の緊急事態宣言期間内、東京都以外のエリアの宣言が解除されたタイミングで、その影響を受けて東京都内の人出が増加してしまった現象が繰り返されることへの危惧も述べられている。
 緊急事態宣言のスタートから一ヶ月が過ぎ、感染の減少が実現できていたものの、このように、再拡大への危惧は残っていたし、医療体制に余裕はなかった。東京都の認識からすれば、AZALEAのライブが「現時点での新型コロナウイルスの感染拡大の状況」を受けて中止されるのはやむを得ないことだったろう。

 

 では、さほど期間をあけずに開催された3月20日・21日の「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内シャッフルフェスティバル」はどうか。
 開催地は神奈川県横浜市にあるぴあアリーナMMである。ラブライブ!シリーズのチケット販売でもおなじみのぴあ株式会社が手掛けるホールで、「1万人規模の会場を民間企業が単独主導する国内初の事例」*21であるという。近隣エリアで同程度のアリーナといえば、横浜アリーナ有明アリーナといった名前が浮かぶ。前者を運営する株式会社横浜アリーナはもともと横浜市第三セクターとして開業し、現在も横浜市西武鉄道に次いで二番目に多く同社の株を保有している*22。後者を運営する株式会社東京有明アリーナは電通を筆頭にNTTドコモほか複数企業が構成員となって経営に参加している。複数の施設が一体となっており毛色が異なるが、幕張メッセを運営する株式会社幕張メッセも、筆頭株主の千葉県のほか21団体76社が株主として名を連ね、それらの企業・団体が経営に参加している*23
 当時の神奈川県はどのように感染状況を把握していたのか。新型コロナウイルス感染症神奈川県対策本部会議*24の資料・議事録を確認しよう。東京都のモニタリング会議のように、状況把握・分析に特化したものではなく、状況分析から対策まで広い内容を扱うものだから、東京都の資料とはやや異なる立ち位置の会議だ、ということは留意したうえでみてもらいたい。

 2021年3月5日、国の緊急事態宣言が延長され、神奈川県も3月後半までの宣言維持が決まっている。その翌日に虹ヶ咲のライブの開催がアナウンスされているから、この流れだけを一見すると「宣言が延長したにも関わらずライブが強行される」という印象を持ってしまう。しかしこのときの宣言延長について、神奈川県の黒岩知事はこのように認識していた。

 

「本県単独で見れば、緊急事態宣言を解除できる状況にあると考えていますが、1都3県で共同歩調をとろうと決めていたこともあり、延長となった」

(3月5日黒岩祐治知事メッセージ*25

 

 これは当日の対策本部会議の最後に、専門家らの報告を受けたうえで参加者の確認を取って承認された知事メッセージである。モニタリング指標については、6つの指標のうち病床逼迫率と新規感染者数がレベル4(医療機能不全期)にあるもののほかはレベル3(医療負荷増大期)に下がり、病床逼迫率・新規感染者数も減少傾向にあることが示唆されている*26
 感染が減少の方向に向かっているとはいえ、緊急事態宣言下であることには違いがない。武蔵野の森総合スポーツプラザのように、イベントの開催に制限はかかっていなかったのか。同じく対策会議でも県内のイベント開催や公共施設の運営について検討と確認が行われている。神奈川県の社会教育施設における講座等のイベントは中止または延期との方針だ。これは横浜アリーナでのライブなど大規模なものではなく、講演会などの小さな規模のイベントごとを指すようだが、県が人の集まる文化事業・イベントをできるだけ控えようとしていたことの現れではある。数千人規模のイベントに関しては、「収容率50%以下または5000人以下で実施可能」という国の定める制限が適用されている。
 虹ヶ咲のシャッフルフェスティバルは、これらの条件や神奈川県の姿勢を総合して開催が決定されたとみられる。国・県による制限があり、感染拡大防止の対策は必須であったとしても、開催自体は「可」だ、という判断だ。そして、緊急事態宣言延長発表の翌日にも関わらず開催が決定・発表されたのは、神奈川県が「宣言を解除できる状況にある」と認識し表明していたことが大きかったろう。

 株式会社ぴあによる単独経営のぴあアリーナMMと、東京都の施設を企業体が指定管理者として運営する武蔵野の森総合スポーツプラザとでは、会場を借りている主催者(ラブライブ!)側の判断も異なるものにならざるを得なかった可能性は高い*27。前述の通り、武蔵野の森総合スポーツプラザの利用は、可能ではあったはずだ。それでもAZALEAのライブは中止された。恐らくそこには、東京都の厳しい状況判断と、武蔵野の森総合スポーツプラザが東京都の施設であることの二つが大きく影響していたろう。


 当時、ファンの一部にみられたように、明文化されたルールでは実施可能ながらライブが中止されたこと、そしてそこに少なからず影響を与えたであろう東京都の姿勢を批判することはたやすい。しかし、人口の多さや官庁・企業の集積地であることから感染拡大に厳しく対処していかなければならない東京都の特殊性や、公共施設である以上通常時の利用であれば他の民間施設よりも安価であろうことなどのメリットなども考えておきたい。何より、最終的に判断したのはラブライブ!の運営であり、そこには「感染拡大を防ぐ」「ファンとキャストを感染リスクから守る」という意思があったはずだ。その点を鑑みずに中止を批判することは、新型コロナ感染症の被害自体を軽視することとほぼ同義になってしまう。

 

■「LET'S GO WONDER TRIP」

 2021年3月21日、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会校内シャッフルフェスティバル二日目の開催と同日、二度目の緊急事態宣言は終了する。二度の延長により、合計日数は74日間となっていた。

 AZALEAのライブは中止されたが、Aqoursは5月1日・2日に初の野外ライブを開催する予定だった。「 Aqours 5th Anniversary LoveLive! ~LET'S GO WONDER TRIP~」である。Aqoursの活動5周年を記念し、作品の舞台となっている静岡県で、ラブライブ!シリーズ初の本格的な野外ライブを開催するとあって、キャストにとっても、ファンにとっても、大きな期待感を寄せるものになっていた。
 3月31日、Aqoursは新曲『smile smile ship Start!』をリリースする。この楽曲もまた5周年を記念したもので、アニメのメインテーマを引用した、力のこもった一曲だった。このイントロ部分は、2020年の中止されたドームツアーのオープニングテーマでもあり、2020年内のオンラインライブの冒頭で転用された。その音楽を冒頭に配した楽曲は、2020年の苦境から再出発をはかるAqoursの勇姿にふさわしかった。

 

www.youtube.com

 

 4月7日には、新たなシリーズ作品『ラブライブ!スーパースター!!』のLiella!によるデビューシングル『始まりは君の空』が発売されている*28虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会も5月にサードライブの実施を予定していた。

 そうした明るい予定は、しかし、あっという間に覆される。
 4月23日、3度目の緊急事態宣言の発令が決定される*29。前回の緊急事態宣言から34日間しか経っていなかったが、新規感染者数は約5000人となり、1月ごろの数値に戻ってしまっていた。感染の広がりは誰の目から見ても明らかだった。
 同じく23日、静岡県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議*30が開催される。3度目の緊急事態宣言の対象は東京都・大阪府兵庫県京都府のみだったが、静岡県もまた感染の拡大を強く警戒していた。この会議は冒頭のみ公開されており、ウェブ公開されている資料は概要のみとなっているため、東京都や神奈川県の対策会議・専門家会議に比べると会議の詳細は分かりづらい。専門家の統一した意見として、「第四波」とされる大規模な拡大が目前に迫っていること、人流抑制と医療体制確保が早急に求められていることが訴えられたことは確かなようだ。
 翌25日の新聞報道では、「「県内も第4波が始まりかけている」として、大規模イベントの中止や県による観光促進事業を見合わせるべきだとの認識で一致した」*31とされている。イベント中止・観光促進中止という具体的な手段が挙げられているが、前述の通り、県の公開する会議資料においてはそこまで具体的な文言は現れていない。県がそれらの手段を取るならば、詳細な検討と準備が必要であり、専門家会議の資料とはいえ明確に言及するわけにはいかなかったのだろうと思われる。公開される正式なかたちで県からイベント中止の依頼が公になされたわけではなかった。
 しかしAqoursの野外ライブは翌週に迫っていた。ラブライブ!運営側は即時に決断し行動する。翌26日21時01分、ライブの中止が発表された。

 

「緊急事態宣言及び現時点の新型コロナウイルスの感染拡大の状況、また、静岡県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議により、静岡県内で予定される大規模イベントは当面中止すべきとの見解が示されたため、会場近隣の皆様、ご来場のお客様、出演者、スタッフ、関係者の安全を第一に考え、誠に残念ではございますが、予定しておりました日程での本公演の開催を中止させていただくこととなりました」
ラブライブ!シリーズ公式Twitter*32

 

 2月のAZALEAのライブに続き、またも、明文化されたルールのうえでは実施可能ながらライブが中止されることとなった。AZALEAのライブ中止の際よりも、ファンからの反発は大きかったように筆者は記憶している。
 前述したように、ゴールデンウィーク直前で多数のイベント開催を前にした日程上、県からの正式な指示としてイベントを中止させるための詳細な調整を行っている時間がなかったのだろう。そのため、曖昧なメッセージを発信するほかなかった。県から各イベント開催者へ非公式な連絡がなされた可能性もあるだろう。静岡県はこのような事態を迎える前に、イベント実施可否を決める目安や決定プロセスの公開について準備を行っておくべきだったが、それらが整っていなかった以上、この段階ではあのような形でしか決断と発信ができなかった。
 事実上、中止を促した静岡県をファンが批判するのもやむをえないことだったろう。緊急事態宣言が繰り返される一方、感染拡大の度合いは地域によって異なったから、宣言の発布がなされたとしても、個々人の危機感の度合いには差があった。都道府県や国による正式な依頼というのは、本来、そうした個人の感性の差を超えて、ライブの中止という異常な事態を納得させるためのものだ。クロニクルの2020年後半の記事で振り返ったように*33、日本の感染対策は、正式に明言されるものとしてはゆるやかな行動制限しか求めず、その実、個々人や企業に自主的な判断と行動を暗に求める、という性質が強かった。そこに国民が欺瞞と戸惑いを感じるのは当然のことだと筆者は思う。


 この時期、開催中止に追い込まれていたイベントはこれだけではなかった。
 「リアル脱出ゲーム」の制作会社であるSCRAPが、2018年『孤島の水族館からの脱出』、2019年『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』に続けて『ラブライブ!サンシャイン!!』とのコラボレーション企画を同年5月に開催することを企画していた。のちに2022年に開催される「輝け!Aqoursぬまづフェスティバルinよみうりランド」である*34
 ぬまづフェスはキャストが現場に参加する性質のイベントではないが、イベント中に流される多数のセリフの録音や、テーマソング『SUKI for you, DREAM for you!』の制作のため、Aqoursキャストも21年5月の数ヶ月前から、準備作業に関わっていたはずだ。

 静岡県で開催予定だった5th Anniversary野外ライブ、そしてリアルと物語の境を越えようとするAqoursぬまづフェス。創り手たちは、Aqoursの5周年を祝うにふさわしい画期的なイベントとしてこれらの準備を進めていただろう。それらによる高まりの頂点として用意されていたと思われるのが、Aqoursのみならず『ラブライブ!』シリーズ初の試みとなる実写MVが制作された新曲『DREAMY COLOR』だったのではないか、と私は推測する。
 『DREAMY COLOR』の沼津における撮影は2021年3月から4月に行われたという。そのMVのティーザー予告が野外ライブが行われる予定だった5月2日にYoutubeで公開された。野外ライブの成功のあとに、シリーズとしてもグループとしても画期となるようなPVのティーザーが公開される。こうした一連の取り組みは単体では完結せず、次々に連鎖し、大きな盛り上がりをかたちづくっていくものとして企画されているだろうことが簡単に想像できる。それらがひとつまたひとつと中止に追い込まれていく。
 ときおりライブに行く程度のファンであるわたしのような人間ですら、こうして当時のことを調べて書いているだけで、身体がこわばり、気持ちが沈んでいく。当時のAqoursの9人が感じた苦しさはどれだけのものだったのだろう。その苦しみにに立ち向かうために、かれらはどれだけの強さを必要としたのだろう。

 

東京オリンピックとワクチン

 5月13日、緊急事態宣言が延長される。
 繰り返される緊急事態宣言によって、多くの人々や業界が影響を受けたが、Aqoursの活動でみられたのと同じように、制限の線引や運用の曖昧さへの反発の声が目立ち始める。5月11日に映画館の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会が発表した声明は、映画ファンへの声明という体裁ではあるが、実際には東京都の映画館休業要請への強い抗議だ*35。ここでは、同じように多くの人を集める場所であっても、劇場は営業でき、映画館・プラネタリウムが休業を強いられていることへの強い批難がなされている。新型コロナ感染症への対策も一年以上が経ち、細分化・長期化することで、不公平が目立つ状況が生まれてきたというタイミングだったのかもしれない。
 全興連と同日に文化庁長官の都倉俊一による声明がなされたのは、こうした不備を政府の側も認識していることを暗に示し、そのうえでもなお広く協力と是正を呼びかけようとするものだったようにみえる*36。前年、当時の文化庁長官だった宮田亮平の発信したメッセージが、単純に芸術関係者を励ますのみで具体的支援の姿勢がないと大きな批判を集めたことを踏まえた動きでもあったのだろう。
 こうした各方面からの批判の高まりは、同年夏に開催が予定されていた東京オリンピックの存在なしにはありえなかっただろう。社会の広範な分野にわたって自粛が強く求められながらも、もっとも巨大な規模で行われるイベント・東京オリンピックだけは、着実に準備が進められていくーー明らかにその状況は歪なものであり、日本の政府や社会が抱える不公平さをあらわにしていた。開催の近づく21年春以降、政府、関係者、出場者に対して、様々な場でオリンピック開催の意義を問う声が多く発せられた。
 6月21日の段階では、「収容人数の50%以内かつ最大1万人」の範囲内で有観客開催の方針を取っていたが、7月8日、東京・埼玉・千葉・神奈川は無観客開催となる方針転換がなされた。海外からの出場者・報道関係者らに対しては、大会会場や宿舎からの外出を強く規制して外界との接触による感染リスクを制御する「バブル方式」が取られた*37
 東京都内で暮らし、オリンピックの開催の様子をそれなりに近い場所で眺めていた人間の実感として、こうした制限によってオリンピックそのものによる感染の拡大は防がれたという印象がある。感染対策としては成功したという評価をしてよいと思うのだが、スポーツ=娯楽のイベントとしてみたとき、東京オリンピックはあまりにネガティブな出来事や社会的影響を発しすぎた、と思う。
 2021年の組織委員会会長・森喜朗の女性蔑視発言*38に始まり、オリンピック関係者にまつわる倫理的な問題は枚挙に暇がない。電通KADOKAWA*39、AOKIといった有名企業による汚職のようなはっきりとした不法行為だけでなく、新設された会場施設の持続可能性や東日本大震災福島原発事故からの「復興五輪」というコンセプトの追求の不十分さなど、イベントが自ら理想として掲げたことへの不誠実なあり方もまた、娯楽イベントとしての価値を大きく損ねた。
 そのような問題を抱えながらも東京オリンピックは行われた。その歪んだ状況は、スポーツに限らず、多くの人を集め人を楽しませる「娯楽イベント」全体への歪みを残してしまったのではないか。東京オリンピックで活躍したアスリートたちは、称賛される一方で批難を浴びた。オリンピックを観戦し、あるいは裏方として支えた人々も同様だ。アスリートもファンも、「コロナ危機のなかで奮闘する人々」というようなわかりやすいイメージのなかで安住していることはできなかった。その社会全体を覆う複雑な苦境を解きほぐしうるのは、国全体にいきわたる徹底した感染症対策と医療・保健現場の支援、そして開かれた論議だったはずだが、それらはないがしろにされた。そうして放置された歪みを負った個人は傷つき疲弊した。
 現代のオリンピックはスポーツだけでは成り立たない。東京オリンピックをめぐる混乱のうち、最も大きな騒動となったものの一つは、開会式の演出に関わるアーティストたちの過去の差別的言動だった。かれら個人個人は強く批判され、責任を取って辞任していったが、かれらを任命し、組織する側の責任は明らかにされないままに終わった。組織としての東京オリンピックは何事もなかったように開催された。
 理想をうたい、人々の心を満たすはずの文化的活動に関わり、スポットライトのもとでパフォーマンスをすることが、かつてない重さで多くの人の心にのしかかっていく。2021年の夏は、そのような季節になってしまっていった。

 

 

 7月24日、東京オリンピックの開会式が行われた。
 翌週29日、日本国内の一日あたりの新規感染者数が初めて10000人を突破し、10742人を記録する。同時期、東京都内の新規感染者数も毎日のように過去最多を記録していた。
 東京における緊急事態宣言は6月17日をもって終了していたが、沖縄県については宣言が引き続き継続した。そしてその沖縄を対象とした緊急事態宣言の終了を待たずして、7月12日、東京都を対象にふたたび宣言が行われる*40。宣言が終了した沖縄県以外の各都道府県でも感染の拡大は止まらず、まん延防止等重点措置の対象地域は増えていった*41
 東京オリンピックに関係した感染者は、7月から8月にかけて、500名弱が確認されている*42。全国の感染者数に比べると微々たるもので、オリンピックに関係した感染増が全国の感染へと直接影響したとは考えづらい。しかし、その全国の感染増について、オリンピックが行われなかった場合を想定すると、53,900件の感染増が生じている、とする研究もなされている*43


 この困難な状況のなかで、8月14日・15日、2020年に中止されていたAZALEAのユニットライブがついに開催された。会場は、2020年に開催予定だった宮城県ゼビオアリーナ仙台。宮城は、多くの会場が無観客で開催された東京オリンピックのなかでも、例外的に有観客開催が許された場所だった。偶然ながら、AZALEAのライブは、東京オリンピックの開催によってその有観客開催が担保されていた、と言えるかもしれない。
 残念ながら、開催直前の8月5日、AZALEAのメンバーの一人である高槻かなこが病気療養のための一定期間の活動中止を発表しており*44、AZALEAのライブは残る二人・諏訪ななかと小宮有紗によるパフォーマンスとなった*45。それでも、8月15日のライブ終盤には、AZALEAのセカンドライブが開催されることが発表された。さらにその一週間後の8月23日、年末にAqoursのソロライブ*46、さらにはAqours虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・Liella!による合同カウントダウンライブの開催も発表される*47

 前述の通り、2021年の夏は一日あたりの新規感染者数が初めて1万人を超えて2万人に達し、4月に始まった緊急事態宣言は地域を遷移しながらも最終的に5ヶ月の長期に及ぶという厳しい状況が継続していた。その一方で、ワクチン接種という感染対策上の極めて大きな出来事が進んでいた。
 そもそも、今回の新型コロナウイルスに対するワクチンの開発は驚異的なスピードで進んでいた。関連するウイルスについての研究が進んでいたこと、mRNAワクチンという新しい技術が成熟しつつあったこと、そして世界的な感染により財政や治験の面で製薬会社に有利な状況があったことが背景にあるという*48。例えば、2020年3月、当時のアメリカで感染対策の司令塔を担い、ワクチンの開発状況を知悉していただろうと思われる国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID)のアンソニー・ファウチ所長も、ワクチンの完成を一年半後(=2021年の後半)と予測としている*49
 実際には、2020年12月にはファイザー社とビオンテック社の共同開発したワクチンが欧米各国での使用承認を受け、さらに複数の製薬会社によるワクチンも続々と実用化されていく。アメリカでは、12月14日に接種が開始された*50
 日本政府は2020年7月31日にファイザー社とワクチン供給について基本合意したことを発表した*51。医療従事者への接種が開始されたのは2021年2月17日で*52、さらに春以降、高リスクな高齢者などを優先しながら、一般国民への接種が開始された。欧米に比べ大幅な遅れと接種に関する混乱が生じたことには批判が集まったものの*53、8月5日までに国民の45.7%が第一回の接種を完了することができていた。
 2021年の接種においては、企業や大学などが会場・人員を手配して大規模な接種を行う「職域接種」が多数行われ、接種の進展に貢献した*54。『ラブライブ!』に関連する企業としては、アミューズ*55ブシロード*56が職域接種を実施していたようだ。Aqoursの面々と周辺スタッフたちのどれだけの割合がワクチン接種に応じたかわからないが、着実にワクチン接種が進んでいく状況は、ライブやイベントの企画・準備に大いに弾みをつけたのではないだろうか。

 なお、一般社会においてはワクチンの副作用を恐れ接種を躊躇する人が一定数存在した。mRNAワクチンという新しい技術を使っていること、そして実際に多数報告された副作用のもたらす発熱などの症状が非常に強いものであったことが拍車をかけていた。その恐怖は正当なものであったろうし、接種が進むにつれ多くの人はワクチンがある程度の安全性を持っていることを理解していったが、ごく一部の過激な人間は、反ワクチン派とも呼ばれる過激な文化圏を形成していった。
 欧米の著名人のなかには、そうした反ワクチン派的な言動を行うものも一定数現れていたが、日本の芸能界、特に声優業界においてそうした考え方を明言する人物はほぼ皆無だったように思われる。もともと、社会的・政治的な発言をよしとしない日本の芸能文化の事情も影響しているだろうが、個人的な考え方を超えて、ワクチンが業界にもたらす益がとても大きかったことがその背景にあったのではないか、というのが私の印象だ。
 そもそも、コロナが声優個人にもたらす被害はとても大きい。治療や感染防止のために仕事を休まなければならない、という短期的な理由だけではない。呼吸器に関わる疾患ゆえ、仕事道具である声・喉が取り返しのつかないダメージを受けてしまうこともありえた。感染拡大の初期から、後遺症が多くの人に残り、深刻な健康問題を引き起こし続けることは広く知られていた。
 ワクチンは、そうした被害を抑え、ライブやイベント、演劇など声優が活躍する場を復活させるものとして業界に歓迎されたのではないか。
 ファンの側も、キャストたちのワクチン接種をおおむね歓迎する姿勢にあった。10月6日にはLiella!の岬なこがワクチン接種の副反応により配信出演を取りやめている*57。またこれはキャスト自身の接種とは関係のない出来事だが、9月10日には、斉藤朱夏が11/28にグランキューブ大阪での実施を予定していた自身のソロライブが、会場のワクチン接種占有延長により中止される、といったことも起きている*58SNS上の反応をみると、これらのワクチン接種にまつわる声優の活動の制限について、残念がる声はあってもワクチン接種そのものには好意的な意見が大勢を占めており、あくまでわたしの観測範囲内ではあるが、否定的な声は見つけることができなかった。

 

■ユニットライブと「DREAMY CONCERT 2021」

 9月30日、緊急事態宣言が解除される。地域に変動はあったものの、4月25日から数えれば、その期間は実に約5ヶ月に及んだ。
 その間に東京オリンピックパラリンピックが終わり、菅義偉首相の退陣が決まっていた。9月13日には日本の全人口の約半数が二度のワクチン接種を終えていた*59。一時は2万人台を連日記録していた新規感染者数は、宣言の最終時期には千人台まで抑制された。オリンピックという巨大なイベントの実施を経て、民間の大規模ライブ・イベントが徐々に再開されていく。

 東京オリンピック開催直後の8月初旬、感染拡大と医療逼迫の状況は「災害」と明言されるまでのレベルに達している*60。その一方で、8月12日に発表された専門家による提言では、観客が声を出さないコンサートや演劇、映画館、公園、図書館や美術館などの施設は、「クラスターの発生が少なく、感染リスクが比較的低く保つことができ」「感染防止策を徹底した上で、利用可能である」と明言された*61。イベント開催者にとって、「イベントを行うかどうか」ではなく、「どのように感染防止対策を整えてイベントを行うか」が焦点となったのだった。


 8月20日新潟県湯沢町で国内最大級のロックイベント「フジロックフェスティバル」が開催される*62。例年5万人規模のところ、20日昼時点での入場者数は1万人程度だった。海外からのアーティストは入国できず、国内アーティストのみが参加。酒類の提供はされず、開催時間も短縮された。運営スタッフが「普段の10倍ぐらいやらないといけないことが増え」たと述懐するほどに、開催には多くの苦労が伴ったようだ*63。アーティストごとの意見の違い、J-LODliveによる1.5億円の巨額な支援などが大きな議論を呼んだ*64が、多くの人が知る有名イベントが、クラスタの発生など感染拡大をともなわずに実施されたという事実は大きい。2021年末にぴあ総研が発表した音楽フェスに関する市場動向でも、フジロックは「ウィズコロナに対応した大規模フェス開催実績として、その後のフェス開催の試金石となりました」と評価されている*65

 対照的だったのは、その翌週末、愛知県常滑市で開催されたヒップホップイベント「NAMIMONOGATARI2021」だ。酒類の提供、声出し抑制やソーシャルディスタンス維持など基本的な感染防止策の不徹底など、運営側の認識と準備に大きな不足があり、開催地自治体からの抗議*66、参加アーティストの主催イベントの中止*67、音楽団体による抗議と対策徹底の呼びかけ*68といった事態を呼んだ。
 同時期の大規模イベントでは、中止されたロック・イン・ジャパンフェスやサマーソニック大阪会場、開催自治体からの後援取り消しなどを経て開催したサマーソニック東京会場*69がある。

 

 9月28日、内閣官房は緊急事態宣言解除以降のイベント開催について、開催地域や人数、内容によって細かい基準を定めた通知を発表する*70Jリーグにおけるワクチン検査パッケージを用いた実証実験*71のような試みなども交えながら、「いかにイベントを開催するか」に焦点を絞った取り組みが各分野で行われていく。
 ラブライブ!シリーズとしては、9月25日・26日、昨年はオンラインのみの開催となっていた「スクフェス感謝祭」が東京・科学技術館でのリアルイベントを含めた形で開催された。
 同じ週末に開催されたGuiltyKissセカンドライブ*72、10月16日・17日のCYaRon!セカンドライブ*73幕張メッセ)では、e+の顔認証システムをもちいた入場管理が行われていたが、10月16日にe+のシステムにトラブルが生じ(サーバの負荷が原因)、認証が正常に行われず観客の入場が滞る事態が生じた*74。一時間ほど開演が遅れることになったが、内容の短縮はほぼ行われず予定通りの演目とすることがアナウンスされ、またe+側が全面的に責任を認めたことから、大きな批判が起こることはなかった。
 GuiltyKiss、CYaRON!のライブは、各ユニットが同年にリリースしたアルバムに深く関わったMEG、TAKUYAらを中心とした生バンドによる演奏も話題を呼んだ。Aqoursの活動が5年目となり、パフォーマンスの質が上がるとともにアニメの展開も一段落し、楽曲そのもの、ライブそのものの魅力を打ち出しうる時期だったことも影響しているのかもしれない。それは、長期にわたって外出を抑制されたことで、音楽などの文化により深く没入していくことを促されたコロナ危機下のファンのマインドにも合致していたのではないか。
 GuiltyKissとCYaRON!に続いて、11月15日・16日にはAZALEAのセカンドライブも開催された*75高槻かなこは8月のライブに続き出演しなかったものの、その二週間前には高槻自身の活動再開が発表されており、今後の希望をもてる状況だった*76
 再開といえば、淡島ホテルのことにも触れておきたい。『ラブライブ!サンシャイン!!』の劇中の舞台として知られる淡島ホテルは、ファンが訪れる聖地として知られているが、19年12月に運営会社が破産、21年夏に運営会社の役員が破産法違反で起訴されAqoursのラッピング連絡船が差し押さえられるといった厳しい状況に置かれていた。しかし、従業員らを中心とした運営会社が正常な営業再開を目指して改修などの計画を立て、11月24日から臨時休館に入ったのだった*77。再開は翌年7月のこととなったが、それでも、淡島ホテルは再び客を招き、営業を始めた*78

 

 新型コロナウイルスによるパンデミックは、様々な意識の変革を人々にもたらしている。そのなかから「よいもの」を抽出するとすれば、それは、「どんな人もあっというまに病に倒れる」という事実を多くの人が再認識できたことだとわたしは思う。わたしたちは誰でも倒れうる。だからこそ、すべての人に休養と再生の機会が整備された社会を維持していく必要がある。感染拡大を防ぐ対策が必ずしも順調に機能せず、人々が動揺し摩擦が生じたとしても、その大きな目標を忘れなければ、社会はなんとかパンデミックをしのいでいけるはずだ(あるいは、パンデミックの発生そのものを防げるはずだ)。
 そのために必要なことは何か。再び帰ってこれなかった人々のことを記録に留めること。そして、帰ってこれた人々が、どんなあり方であっても、生き続けることだ。かれらの姿のなかに、社会がいかにパンデミックに対抗しうるかのヒントがたくさん詰まっている。
  だから、「再開」を成し遂げた人々の存在は、ただそれだけで、希望なのだ。

 

♪♪♪

 

 2021年5月、Aqoursぬまづフェス、そしてつま恋野外ライブの中止を経たその時期に、AZALEAは『We'll get the next dream!!!』のレコーディングを行っていた。

 

小宮 この曲なら「この子たち、本当にライブできなくて悔しかったんだな」って絶対に伝わる。きっと私たちを応援してくださっている皆さんも同じ気持ちだと思うし、ライブじゃなくても、挫折とかを感じている人を奮い立たせるような、強い意志を持った歌になったんじゃないかなって。

高槻 今まで私たちは「つらい」とか「悔しい」という言葉を曲中で言うことがなかったし、そもそもそういう言葉をみんなに届けていいのかわからない部分もあったんです。そういう意味でもこの曲はチャレンジだったんですけど、それができたことで有紗が言うように「みんな同じ気持ちだよ」と再認識できると思います。

音楽ナタリー「AZALEA「We'll get the next dream!!!」特集」2021年6月25日公開*79

 

 「レコーディングで悔しさを込めすぎて、ディレクターさんに「有紗、もうちょっと柔らかくてもいいよ」って(笑)」言われるほどだったというその感情は、そこで留まることはなく、新たなライブの機会をかれらの手に呼び込む。2021年12月29日・30日に行われることになる、「Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」だ。
 ドームツアーと野外ライブの中止によって、2021年内、Aqours単体でのライブの開催予定は皆無となっていた。一年間の当初の予定をみてみれば、年始のドームツアー最終公演、6月の野外ライブ、秋のユニットライブと、かたよりなく日程が組まれていたことがわかる。また、6月30日には、翌年2月・3月に開催される6thライブツアー「Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~」の開催が発表されてもいた*80。こうした長期的にバランスを取った予定が組まれているなか、ユニットライブと(恐らくは先行して企画されていたと思われる)大晦日の三校合同ライブの予定を踏まえて新たなライブを企画することは大きな困難だったろう。それでも「『なんとかAqoursに時間をください。ライブする場所をください』ってみんなでお願いをして」*81、ライブの開催が決定される。


 なぜそこまでAqoursはライブの開催を必要としていたのか。実際に開催された「DREAMY CONCERT 2021」のなかで、伊波杏樹はこのように発言している。

 

「だからこそこのステージがないと、わたしたちは、Aqoursの、彼女たちの道を走っていくことが、やっぱできなくなってしまう、と思うのですね。なので、わたしたち自身、メンバーのことを一人ひとり大切に思う気持ちと、メンバーに会いたいと思ってここに来てくれているみなさんがいないと、Aqoursのステージは、Aqoursの物語は、進んでいかないと思っています」

(「DREAMY CONCERT 2021」2日目、終盤の挨拶における発言*82

 

 テレビシリーズと劇場版のアニメが完結したのち、キャストとしてのAqoursの最大の拠り所はライブのステージ上にあった。スクリーン上に映し出される二次元のキャラクターと、ステージ上で歌い踊る三次元のキャストが、両者を同時に目撃する観客たちによって一体のものとして捉えられたときに初めて生まれるなにか。それこそが、『ラブライブ!』シリーズの真髄としてμ'sからAqoursが引き継いだ、彼女たちの存在意義をも規定する極めて重要なものだったのだとわたしは思う。コロナ危機によってステージ上でライブができなくなったAqoursは、Aqoursとしての存在を揺るがされていたのだ。それは、同じくコロナ危機下にあって苦しんだ他のアーティストや文化の担い手たちとはまた異なる、彼女たち固有の苦しみだったと言えるだろう。
 Aqoursとは全く異なる活動形態と、2020年秋のTVアニメ一期放映によって独自の人気を確立しつつあった虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、同じく21年夏のTVアニメ一期放映開始によってシリーズに新風を吹き込んでいたLiella!!と比べると、その寄る辺なさは一層際立つ。
 8月23日、Aqours・虹ヶ咲・Liella!の三校合同ライブ「COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 〜LIVE with a smile!〜」とあわせて、Aqoursの「DREAMY CONCERT 2021」の開催が発表される。


 9月30日の緊急事態宣言解除以降、国内の新規感染者数はおおむね毎日1,000人以内に留まり、ワクチン接種も進むことで、社会の関心はコロナウイルスそのものからコロナ危機によって停滞した社会活動の再生へと比重が移っていく。11月8日の対策分科会提言では、軽症者の割合が増加していることを踏まえて、新規感染者数ではなく医療の逼迫度を重視する方針が打ち出される*83。11月11日には、政府がGoToトラベル事業を年明けに再開する方針だと明らかにされた*84
 しかし11月から12月にかけ、新型コロナウイルスの新たな変異株である「オミクロン株」がアメリカほかで大流行し、日本でも感染者が広がっていく*85。重症化する割合は少ない一方で、ワクチンによって発症を防げる割合もまた少ないとされたこの変異株の感染拡大は、パンデミックがそう簡単には収束しないことを改めて証明することになった。


 12月29日・30日、Aqoursは「DREAMY CONCERT 2021」をぴあアリーナMMで開催する。Aqoursによる有観客のワンマンライブは、2019年6月開催の5thライブ以来、約2年半ぶりのことだった。
 ライブ開催前々日の12月26日、高槻かなこが29日からの一連のライブに出演することが発表された*86。12月28日には、21年春頃から関節の不調による活動制限を続けていた、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会楠木ともりも、31日のカウントダウンライブへ出演することが発表される。
 のちに、楠木ともりは遺伝性疾患のエーラス・ダンロス症候群(関節型)を患っていることが明らかにされ、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・優木せつ菜役を林鼓子へと交代することになる*87。2023年の10月にこの文章を書いているわたしは、そうした、悲しみをともなう変化が起きることも知っている。
 それでも、2021年の年末に、楠木ともりは優木せつ菜としてステージに立ったし、高槻かなこ国木田花丸としてAqoursの9人のライブを完成させた。
 物事は一直線によくなっていくわけではない。しかし、困難なときのなかでも、素晴らしい時間が訪れることはある。そうした経験をもとに、人の生と社会は続いていく。

 

♪♪♪


 12月31日、新型コロナウイルスによって疲弊したイベント主催者を支援し、観客の消費を促進する取り組みとしてつくられた「GO TO イベント」事業が終了する。「COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022」は、この事業が支援した最後のライブの一つとなった*88

 

<つづく>

 

■資料

・新規感染者数の推移と主な出来事のグラフ

2021年の日本国内新規感染者数の推移と主な出来事

 新規感染者数のデータは厚生労働省のオープンデータ*89によります。

 

 

■宣伝

 『黒澤家研究』と題して、『ラブライブ!サンシャイン!!』の同人誌を作っています。黒澤ダイヤさんの実家のことを出発点にしつつ、あれこれ雑多に書いています。

 同人誌が売れると資料を集める資本になって、「クロニクル」の作業がはかどります。ご関心のあるかたはぜひ以下記事をご覧ください。

 

tegi.hatenablog.com

 

 

*1:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_houkoku_20210107.pdf

*2:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_houkoku_20210202.pdf

*3:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_houkoku_20210305.pdf

*4:https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_dometour.php

*5:降幡愛の出身エリアで発行される信濃毎日新聞が母体のウェブサイト。余談だが明治時代に信濃毎日新聞主筆をつとめた山路愛山の筆名「愛山」は沼津の愛鷹山に由来するという。

*6:https://mgpress.jp/2021/01/09/%E3%80%90降幡愛のふりりんjourney%E3%80%91-16-明けない夜はない/

*7: https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/news.php?id=7416

*8: http://www.choujigen-ongakusai.jp/2021/

*9:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_houkoku_20210305.pdf

*10:https://www.lovelive-anime.jp/nijigasaki/news.php?id=7531

*11:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/12/23/21.html

*12:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/12/23/documents/20201222_1.pdf

*13:同会議議事次第 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/986/49kai/2021020501.pdf 、議事録 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/986/gijiroku/gijiroku_20210205.pdf

*14:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1315246214191800320

*15:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1349915332777975809

*16:このとき、会場の第一候補として、2020年3月にAZALEAがライブを行うはずだったゼビオアリーナ仙台が検討されていた可能性もあるかもしれない。武蔵野の森総合スポーツプラザでの開催が発表され、かつチケットは新たに抽選販売が行われることが発表されたさい、ファンの一部からは仙台会場のチケットに当選していた人間への優先権を訴える声もあった。わたし個人としては、そうしたファンの声があがることを予測して、また何よりキャストやスタッフの希望として、仙台会場での検討があったが、首都圏から仙台への人の流れを抑止し、感染拡大を防止するという考えのために実現されなかったのではないか、と推測している。明示できる根拠はない。しかし、仙台開催の検討は必ずなされていたろうと思っている。コロナ危機下のAqoursの活動のはしばしから、Aqoursを支えるスタッフたちがそうしたチャレンジを常に考える人たちだったということが伝わってくるからだ。

*17:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1009676/1013025.html

*18:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/025/2021021002.pdf

*19:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/025/2021021002.pdf

*20:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/025/2021021007.pdf

*21:https://pia-arena-mm.jp/about/index.html

*22:https://www.yokohama-arena.co.jp/company/aboutus/

*23:https://www.m-messe.co.jp/organizers/company/profile

*24:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/2020kiki.html

*25:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/59216/20210305honbukaigisiryou.pdf

*26:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/59216/20210305honbukaigiroku.pdf

*27:本稿では検証・言及できなかったが、5月8日・9日にメットライフドームで有観客開催された「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~」についても、「ぴあアリーナMM・神奈川県」と、「武蔵野の森総合スポーツプラザ・東京都」との比較と同様に考えられるかもしれない。Aqoursと虹ヶ咲学園とで運営の方針が異なるという可能性もありえるだろうから、コロナ危機期間の各作品ごとの対応を比較検証することも必要だが、残念ながら筆者の能力の範囲を超えている。

*28:https://www.youtube.com/watch?v=tk5RkDdm_Bs

*29:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_20210423.pdf

*30:https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/covid19/taiouhoushin/1024286.html

*31:https://mainichi.jp/articles/20210425/ddl/k22/040/146000c

*32:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1386651713231200256

*33: https://tegi.hatenablog.com/entry/2022/08/22/222334

*34: https://www.scrapmagazine.com/s/aqours_fes/ 『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド』コンテンツディレクター きださおりによる、『SUKI for you, DREAM for you!』テーマソング決定までの経緯についての文章より。

*35: https://www.zenkoren.or.jp/wp-content/uploads/2021/05/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%82%92%E6%84%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E7%9A%86%E6%A7%98%E3%81%B8-20210511.pdf

*36: https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/20032701.html

*37:こうした対策はいっけん開催地である東京・日本の国民を守るためのように思われるが、実際は、参加する他国の人々を守るためのことでもあった。イベントにまつわる感染症の対策は、開催地と参加者だけでなく、参加者それぞれの地元など、広範な場所・人々にも関わることだ。対策のための準備と調整は複雑で困難だが、個人では見通せない範囲の人々を守っていることだ、ということは再確認しておきたい。「東京五輪で「途上国にウイルスわたる可能性」 尾身会長が指摘」など参照。 https://mainichi.jp/articles/20210603/k00/00m/010/182000c

*38:https://mainichi.jp/morihatsugen/

*39:言うまでもなく、KADOKAWAは『電撃G's magazine』ほか『ラブライブ!』シリーズに深い関わりをもつ企業体だ。五輪における汚職角川歴彦ら上層部のごく一部が暴走した結果といっていいだろうが、そうした暴走を許しうるガバナンスの整わない企業によってシリーズが成立しているという点には注意を払いたい。

*40:https://corona.go.jp/news/pdf/kinkyujitaisengen_houkoku_20210708.pdf

*41:「まん延防止8県追加 首相「経験ない感染拡大」 全国に宣言考えず」https://mainichi.jp/articles/20210805/k00/00m/010/293000c

*42:国立感染症研究所東京オリンピック競技大会に関連した新型コロナウイルス感染症発生状況(速報)」https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10581-covid19-54.html

*43:東京財団製作研究所「東京オリンピックの感染への影響の推定:Synthetic control method」https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4161

*44:https://kanako-tktk.com/news/n2021080500/

*45:https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/news.php?id=8171

*46:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1429792919477649410

*47:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1429793249607127041

*48:Nature Digest「COVIDワクチンの短期開発が今後のワクチン開発にもたらすもの」  https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v18/n3/COVID%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%9F%AD%E6%9C%9F%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%8C%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%99%E3%82%82%E3%81%AE/106649

*49:黒木登志夫『新型コロナの科学』中央公論新社、2020年

*50:https://www.bbc.com/japanese/55312446

*51:竹中治堅、『コロナ危機の政治』中央公論新社、2020年

*52:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10569-covid19-53.html

*53:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210513/k10013026071000.html

*54:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_shokuiki.html

*55:https://ameblo.jp/okuyama-yoshie/entry-12684335119.html

*56:https://twitter.com/kidanit/status/1412786577353310214?s=19

*57:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1445629993216712715

*58:https://gamp.ameblo.jp/shuka-saito/entry-12697196444.html

*59:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210913/amp/k10013257151000.html?__twitter_impression=true

*60:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1182J0R10C21A8000000/

*61:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/committee/detail/detail_45.html 提言:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/bunkakai/dai5/kyouka_teigen.pdf

*62:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210820/k10013214341000.html

*63:https://realsound.jp/2022/07/post-1075961.html

*64:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210825/amp/k10013223231000.html

*65:https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta20220615_2.html

*66:https://mainichi.jp/articles/20210830/k00/00m/040/092000c

*67:NAMIMONOGATARIの出演者であるBAD HOPは、イベント出演の批判だけでなく、彼らがNAMIMONOGATARIの運営に携わっているというデマにより、9月1日・2日開催予定だった自身の主催イベントを中止せざるを得ない状況に追い込まれた。https://twitter.com/badhop_official/status/1432340038059053062

*68:http://www.fmp.or.jp/information/?p=1013

*69:https://www.yomiuri.co.jp/national/20210910-OYT1T50138/

*70:https://corona.go.jp/news/pdf/jimurenraku_seigen_20210928.pdf

*71:https://www.asahi.com/articles/ASPB66CRDPB5UTQP01F.html?iref=sp_special_coronavirus_top

*72:https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_unit2021_GK.php

*73:https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_unit2021_CYR.php

*74:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00598/082600136/

*75:https://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_unit2021_AZ2.php

*76:https://twitter.com/Kanako_tktk/status/1455051981551292416

*77:https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/990865.html

*78:https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1089036.html

*79:https://natalie.mu/music/pp/azalea

*80:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1410217371017482241

*81:2022年1月19日公開、『ラブライブ!サンシャイン!!Aqours浦の星女学院RADIO!!!』第295回における逢田梨香子の発言より。

*82:2021年12月31日、配信アーカイブにて確認。

*83:https://mainichi.jp/articles/20211108/k00/00m/040/194000c

*84:https://mainichi.jp/articles/20211111/k00/00m/010/023000c

*85:https://www.asahi.com/articles/ASPDR6RQBPDRULBJ00N.html

*86:https://twitter.com/LoveLive_staff/status/1475043855179599873

*87:https://www.kusunokitomori.com/info/archive/?id=546582

*88:https://twitter.com/tegit/status/1476831977353678848

*89:https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html