こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

9月に読んだ本

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2880ページ
ナイス数:6ナイス

われらが背きし者われらが背きし者感想
頼むから!もっと!セクシーな装丁にしてくれよ岩波さんよお!/まあもはやル・カレがいかに熱くセクシーな物語を描いても、日本ではスパイ小説/イギリス文学好きの中高年が受容者の大半、ってことなのでしょうけども..。/映画化にたいへん期待ですけれども、これにユアン・マクレガーをあてちゃうのは彼の最近のあの映画を思い出しちゃってちょっと既視感強くなっちゃうんじゃという心配。まあ確かに彼のあの映画と共通する味わいがあるからぜひに、と薦めたいがネタバレ気味なので言えない。
読了日:9月5日 著者:ジョン・ル・カレ

戦後史 (岩波新書 新赤版 (955))戦後史 (岩波新書 新赤版 (955))感想
事実だけでなく、内外の出来事が日本人の思想にもたらした影響を、長い目で分析してゆく冷静なやり口に好感。「戦後の闇」的な読み物、フィクションを味わうネタ本としてもたいへんおもしろい。
読了日:9月8日 著者:中村政則

厭犬伝厭犬伝感想
厭世的な主人公のように軽く見通しのいいファンタジーだが、そのうえで生命をかける勝負に挑むふたりの情念、乗り越えたあとの茫漠とした空気は読み応えあり。和風異世界でいかにゲーセン文化をプレイするか、という無茶な一点突破をやりつくし、それだけに終わらない異形の魅力をたたえた世界観もいい。映像化超希望。
読了日:9月10日 著者:弘也英明

アフリカ 苦悩する大陸アフリカ 苦悩する大陸感想
明るいエッセイ集。紛争地帯への取材もかなり行っている様子だが、あえてマクロな視点と明るい語り口を志向しているように読める。アフリカを考える入り口、または暗くなりがちな思考への刺激剤として良い本とおもった。「搾取すらされない最貧困より、搾取されるそこそこの貧困のほうがまし」といったことをイギリス人に言われるとテメエが言うな、という感はしますが、合理的に、実現可能な「現状よりは多少マシな世界」を目指そう、という態度はきっと正しい。『資源大陸アフリカ』との併読がお勧めです。
読了日:9月20日 著者:ロバートゲスト

ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄 (朝日文庫)ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄 (朝日文庫)感想
超危険地帯での取材は当然、犯罪者や武装組織へのインタビュー、密入国、とすさまじい記者根性。これに、世界中に流通していく資源と暴力の関係というマクロな視点も加わって、おもしろさも情報量も思考のきっかけも膨大に孕んだ大傑作ルポルタージュができあがっている。アフリカ絡みの映画や小説を読む助けにもなる。冒険小説読みも必読。
読了日:9月22日 著者:白戸圭一

社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)感想
アメリカと戦争、アメリカと教育、という前半に取り上げられる2つのテーマの書かれ方はやや物足りないが、メディア読解法と政治への参加を説く後半へ繋げるケーススタディと考えると、このくらいでいいのかも。中高生の入門書としてはOK。
読了日:9月25日 著者:堤未果

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕感想
この世の地獄でそれでも生き抜くことの絶望と、すさまじくわずかな希望。それが超絶的リーダビリティで語られる。圧倒されたし超おもしろい。キャラ萌えと凄絶さを両立させたバランス感覚は、安直だけど『ミレニアム』を思い出した。/地獄を生き抜く彼女の描写は読んでいてとてもつらいが、彼女を『くまのプーさん』の甘い記憶、『パピヨン』に『モンテ・クリスト伯』といったフィクションが少しずつ支えるというくだりに少し心安らかになる。
読了日:9月27日 著者:ユッシ・エーズラ・オールスン

さして重要でない一日 (講談社文芸文庫)さして重要でない一日 (講談社文芸文庫)感想
あとがきで著者も言うように、発表から二十年以上経過してもおおむね「今の俺たち」の小説として読める、サラリーマン小説の傑作ふたつ。わかるわかる、というネタを、ふらつくようで実は緻密な語りの迷路で彩る。こういう小説をもっと読みたい。
読了日:9月30日 著者:伊井直行


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