こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

むだばなし

 『図書』7月号の「こぼればなし」が非常に腹立たしいので書き留めておく。

 WIDEプロジェクトへの協力に対する感謝状が岩波書店に送られたという話題のなかで、こんな一節があった。

しかしこうした誰もが認めるインターネットの利便性の陰で、まさにその手軽さと強い自己愛からでしょうか、個々人が、没個性的で公表するまでもないような内容のブログをつくり、同好の士が集っているはずのフォーラムでさえ罵詈雑言が飛び交っている――。こうした状況が世界の成熟なのか衰弱なのかはわかりませんが、インターネットの黎明から約二〇年経った今問われているのは、それを利用する者の自制と自律なのかもしれません。
http://www.iwanami.co.jp/tosho/712/excursus.html

 ふざけんな。

 「没個性的で公表するまでもないような内容のブログ」さえも内包し、すべての言葉を記録できるメディアとなったからこそ、インターネットは偉大なんだ。
 誰かがいつか自分の言葉をふたたび読んでくれるかもしれない、という希望をもたらしてくれることこそが、インターネットの存在意義なんだ。

 ある程度のコストをかけ、内容の価値を吟味して「公」にする出版と、インターネットとは根っこからして違うしろものだ。
 それをいまだに勘違いして、出版偉い、学術情報サイコー、っていう価値観をふりかさずとは。げんなりする。
 だいいち、こういういつかどこかで読んだような話題は「没個性的で公表するまでもないような内容」じゃないの?