こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

だいじなのはマリファナより友情です『スモーキング・ハイ』


 みんな大好きジャド・アパトウ製作、主演はこれまたみんな大好き『スーパーバッド』の脚本を手がけたセス・グリーン。ドラッグディーラーに命を狙われる羽目になった二人のボンクラの逃走劇を描くコメディアクション。
 アパトウ作品ってとかく評判高いけれども、正直なところを言うと、ぼくはあんまり馴染めない。長い付き合いの男友達がほぼ皆無なもので、男同士の世界にいまいちシンパシーを抱けないからだろう。かといって、友情成分の薄い『40歳の童貞男』が大好きかっていうとそれほどでもないのだけど。
 で、この映画もセス・グリーンジェームズ・フランコの友情を軸に物語が進む。映画の随所に挟み込まれるイチャイチャ描写はほとんどアイドルの出演するティーン向け恋愛映画のノリで、ここまで突き抜けてくれるとむしろ気持ちよく、アパトウ作品でいちばん抵抗なく観ることができたかもしれない。仲たがいして別れたあと、フランコくんは公園のブランコに腰掛けて一人むせび泣いたりする。お前らつきあっちゃえよもう、と言いたい。異常な友情重視の精神はなぜか悪者たちのキャラクターにも徹底されていて、流血沙汰の途中で「お前はいつでも周りを傷つけるんだ!」とヒットマン同士が口げんかを始めたりする。
 また、二人の逃走劇がけっこうシリアスに展開していくことも、ぼくの苦手なアパトウ的雰囲気を薄めるのに一役買っている。がんがん死人が出るし、人体損壊描写もキツめだし、ギャグとシリアスさの共存という意味でゲームの『GTA』を連想してしまった。
 本筋とは関係ないけれど、裁判所への召喚状を届ける配達人、という主人公の職業が興味ぶかい。召喚状を受け取りたくない人間にも会って渡せるよう、様々な職場に紛れ込むための変装道具が車に積んであるので、マフィアたちが彼をプロの暗殺者と勘違いしてしまう、なんて場面もある。ほんとにこんな面白い職業があるのだろうか。ハードボイルドでも人情ドラマでも、いろいろなネタになりそう。