こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

ひろさちや『「夜逃げ」のすすめ』

「世逃げ」のすすめ (集英社新書 435C)

「世逃げ」のすすめ (集英社新書 435C)

 べつに無理して百パーセントの力を出しつづけることないじゃん、楽にいこうぜ、という趣旨の本。でも楽をしてたらメシが食えないですよ、というおれみたいな人にもこういう言葉をかけてくれる。

もしもあなたが百パーセント全力を尽くして、家庭も家族も放棄して、へとへとになるるまで働いて、それでやっと給料分だけの仕事ができるのであれば、ということはあなたの能力がそんなに低いのであれば、もう何も申しません。あなたは会社に飼われる家畜になりなさい。それしかあなたには生きる道はなさそうです。

 ないのかよ!

もっとも、その場合でも、あなたはホームレスになることもできます。あるいはあなたが家事をやって、奥さんに働いてもらいなさい。そういう「夜逃げ」もできるんです。そのことをお忘れなく。

 いやいやそういう夜逃げができる人だって限られているでしょうよ、とまあ最初は思っちゃうんだけど、少し自分の趣味を押し殺して、てきとーな相手と結婚すりゃまあなんとかなることもあるんだろうね、最近でも。それじゃあいやだよやっぱり、と思う心が現代の苦しさなんだろうけれども。