こづかい三万円の日々

30代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

『落下の王国』


 世界中でおさめられた非現実的な映像は確かにすばらしいが、そこで活躍する物語の登場人物たちの挙動がいただけない。現代劇パートとあまり変わらない演出じゃあ、いまいちのれないじゃないか。
 もちろんそれは、語り部の男が実に情けない願望から物語を作っているということのあらわれではあるのだけれど……。だったら超絶的に美しい映像を作る必要はなかろう。ミシェル・ゴンドリーが監督して、ご近所マジックリアリズムなファンシーさで装飾すればいいことである。

 また、物語ることが人の心を救う(あるいは闇に引き込む)という映画なら、『ダスト』とか『ローズ・イン・タイドランド』とか、もっとすごいのがあるじゃない!といいたい。

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ローズ・イン・タイドランド [DVD]

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 とはいえ、登場人物たちのその後の人生を観客にそっとゆだねるラストなど、愛すべき小品としての味わいはじゅうぶん。邦題の素晴らしさに期待しすぎず、おだやかに観賞するのが正解らしい。