AqoursのシングルCD『HAPPY PARTY TRAIN』に収録されているオーディオドラマで、黒澤ダイヤは「黒澤家の宝」を発見する。
それはなぜ「家の宝」になったのか。
今回は、その「宝」が宝たりえた背景を考えてみます。
Aqours 3rdSingle「HAPPY PARTY TRAIN」Full
AqoursのシングルCD『HAPPY PARTY TRAIN』に収録されているオーディオドラマで、黒澤ダイヤは「黒澤家の宝」を発見する。
それはなぜ「家の宝」になったのか。
今回は、その「宝」が宝たりえた背景を考えてみます。
Aqours 3rdSingle「HAPPY PARTY TRAIN」Full
アイドルソングというのは、これはもちろん様々な例外がありますけども、明るくて、多幸感があって、輝いているものです。アイドルの魅力をまっすぐに打ち出して、この世の中にはこんなに愛らしく美しくって価値のあるものがあるんだ、と思わせてくれる。
それは刹那的にステージの上だけ、スピーカーやイヤホンの周辺だけに現れるフィクションです。歌が終わったあとは輝きは消えるし、ステージの外には荒涼とした世界が広がっている。
アイドルソングがどんな力を持ちうるかは、歌の外の世界とのせめぎあいをどう切り抜けるか、にかかっているように私は思います。
明るさ・甘さ・幸福感といった部分を思いっきり濃密なものにして、歌に耽溺させること。音楽的な技術や新奇さを重視し、アイドルソングの外側の価値観という強固な足がかりを作ること*1。戦い方は様々にあるのですが、Aqoursの楽曲の持つ強さの源泉の一つが、すべての曲の作詞を手がける畑亜貴という存在です。
*1:ただしこの方法は、アイドルソングからアイドルらしさを奪うことにも繋がります……とも言えるのでしょうが、では、アイドルらしさとはなにか。アイドルらしくなくなる、とはどういうことなのか? これはこれで大きな問題ですが、ここでは、少なくとも「アイドルソングの枠を超えた名曲」なんて大雑把で、何かを貶めることで何かを褒めるような言い方は嫌いだ、と言うに留めておきます。
いまでこそ私は『ラブライブ!サンシャイン!!』(以下『サ!』と略)とAqoursが大好きだけれども、振り返ってみると、自分がこの作品・グループをここまで好きになれたのは、幸運にもその魅力を早々に理解できたからだと思います。『サ!』が始まった数年前のあのころ、もう少し忙しくてコンテンツの動向を追いかけられないでいたら。Aqoursの最初のイベントに参加できないでいたら。もしかしたら、自分が『サ!』にはまらずに生きていった可能性もなくはないでしょう。
来月、Aqoursは5thライブを行います。全国の映画館でライブビューイングが行われます。どんなライブになるかわからないけれども、今までAqoursを観たことのなかった人が観に行って、彼女たちを好きになるきっかけになったらなあ、と夢想します。
私は、一人でも多くの人に『ラブライブ!サンシャイン!!』の魅力を知ってほしい。Aqoursのライブに足を運んでほしい。
そのために、今日から何回かに渡って、そもそも『ラブライブ!サンシャイン!!』とAqoursはなぜこれほど魅力的なのか、なにが魅力なのか、を改めて語っておきたいと思います。
もしかしたら、『サ!』を好きにならないままでいたかもしれない自分のことを想像しながら。
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