wikipediaの『耳をすませば』(映画)の項*1にこんなネタが。
作中で雫は図書カードに書かれた名前から、聖司に興味を持つといった描写がされているが、プライバシーの保護と言った観点などから本の貸し出しのバーコード化を進めている日本図書館協会から公開当時、クレームがついた。そのため、DVD化した際に「現在このような貸し出しのやり方は行われていない。」といった内容の字幕がつくこととなった。
ネット上でも複数のところで言及されているので、本当に抗議したんだろうなあ、JLA。
論理としてはわかるけれど、抗議までしなくちゃいけないことだろうか。それは図書館でサービスする側がわかっておけばいいことで、フィクションの受け手や、図書館でサービスを受ける側は意識すべき事柄ではないと思う。
そして、作品のなかでもきちんと、物語として上手なフォローがされているのだ。
このアニメには日本図書館協会が抗議したそうですが、脚本家は百も承知です。
でも、原作のマンガがこの設定で、しかも貸出カードがなければお話が始まらないという確信犯。いつ抗議したのかは、日本図書館協会に聞かなければ分かりませんが、映画の中ではちゃんと弁解しています。しかもストーリーを変えず、アニメ原画も最小限の追加で済ます知能犯。
映画に貸出カードが現れる直前のシーンは主人公と父親(某県立図書館司書という設定)の会話です。
『わが図書館もついにバーコード化するんだよ。準備に大騒ぎさ。』『やっぱり変えちゃうの。私、カードの方が好き。』『ぼくもそうだけどね……。』これだけです。
音声にはありませんが、この『……。』の後にはこんなセリフが入るはずです。『……プライバシーの問題もあって、そうはいかないんだよ。』もっと言えば、更に脚本家の弁解も入るはずです。『……もうこういうことは二度と起きないよ。』
つまり、これは過去の話で今の公共図書館ではこういう問題は起きないということです。
――子どもの本専門店 会留府「読者のページ」*2
『耳をすませば』を観て図書館への憧れを抱く人間は多いと思う。そこに無粋な横やりをいれて、何が楽しいんだろうか。もう十年以上前のハナシだけれども、今のJLAって、どうなのかな。
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12月25日追記。ラジオでドリームズ・カム・トゥルーの「眼鏡越しの空」という曲を聴く。うろ覚えだが、好きな人の名前を図書カードに発見するという意の歌詞があった。92年の『The Swinging Star』に収録されているらしい。JLA、この曲には何も言わなかったのかな。
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