こづかい三万円の日々

40代の男がアニメ、映画、音楽などについて書いています。Twitter:@tegit

新人アニメーター寮のクラウドファンディングに参加した

 この一ヶ月、μ'sとTridentのラストライブ以降、あまりのショックに身体を壊し――というわけではないんだけど、まあ更新が途絶えております。二つのライブのことについて書いては消し書いては消しの繰り返しです。
 で、あんまり間があくのもなんなので、表記の件についての記事をアップしておきます。自分用メモですが、関心持ったかたがいたら嬉しい。あと誤認とかあったら教えてください。

新人アニメーター寮とはなにか

 「新人アニメーター寮」とは、NPO法人アニメーター支援機構という団体が運営する寮のこと。収入が低いにも関わらず、都内の家賃が高いエリアで生活しなければならない新人アニメーターを支援するための安価な寮なんだそうです。

 

animator.main.jp

readyfor.jp

 

 寮が最初に開設されたのが2014年で、ぼくは昨年行われたクラウドファンディングをきっかけに知りました。そのとき支援したかどうかは忘れた。

 「アニメーター支援機構」でぐぐると、ネガティブな情報も散見されます。

matome.naver.jp

matome.naver.jp

 どうも当初は、著名な作家のイラストをもちいたチャリティで資金を集めようとしていたらしい。確かにそれはどうかと思う。

togetter.com

 アニメーター支援機構が行う講習会について、北久保弘之氏が質問をぶつけた際のまとめ。
 このやり取りを見ると、支援機構は情報の示し方があまりうまくなく、それで誤解や反発を受けてしまうことがあったようだ。

 2015年のクラウドファンディングの際には、(あくまでぼくの観測範囲内だが)ネット上で大きな反発が起きるようなことはなかったと思う。二回行われた募集がいずれも目標達成できていることも、支援機構の活動が軌道に乗っており、また世間にも認知されつつあることの証左だろう。
 チャリティという、ものの売買を間に介した方法ではなく、直接出資を求めるというスタイルにしたのもよかったのだと思う。

 現在の寮のようすは、寮生が更新するFacebookが一番参考になる。

 

Facebook - 新人アニメーター寮

https://www.facebook.com/AnimatorDormitory/

 

 寮生の方々が、寮で行っている活動や、自分の仕事の様子、はたまた折々の日常生活などをかなり頻繁にアップしている。

 簡単にまとまったものとしては、2014年の下記のまとめがわかりやすい。

togetter.com

 Twitterで「新人アニメーター寮」で検索すれば、現在居住している人のアカウントを見つけることもできる。

  総合的に判断して、現在、新人アニメーター寮は信頼に値する運営がなされているように思える。むろん、100%確かなことはないし、ここで支援されたアニメーターさんたちがこれからどんな生き方をするかは全くわからない。たとえば寮を出た途端にアニメーターを辞めてしまうかもしれない。

 けれど、まあ、そのくらいのリスクは気にしない。そもそもそこまでの大金をつっこむつもりはない。そんな余裕はぼくにもない。

 

で、結局支援は必要なのか

 一般的な事実として、東京で暮らすにはとてもお金がかかる。部屋を借りるには、最初に敷金・礼金として一ヶ月分の家賃と同額あるいは倍額の金を支払う必要がある。さらに、二年ごとに更新費用として一ヶ月分の家賃を支払わなければならない。
 空き部屋がごろごろある地方から考えると異様に思えるが、とにかく東京の賃貸業者は強気なのだ。
 そのような住居環境で、賃金の安い業界に飛び込む若い人が引き受けなければならない負荷はとてつもなく大きい。
 もちろん、やりたい仕事のためには死にものぐるいでやれ、という意見もあるだろう。だが、リスクがあるよりはないほうがマシだ。辛い道と楽な道、どちらを通っても成果が同じなのならば、楽な道ばかりになったほうがいい。

 個々の支援より、業界全体の構造改革が必要だという意見もあろう。しかし大きな変化には長い年月が必要だ。今なら故郷を飛び出すことのできる若者が、数年後には家庭の事情や社会情勢の変化から、そうできなくなるかもしれない。

 アニメーターの懐を潤すなら、ソフトやグッズを買えばいいのではないか? それはもちろんそうだ。アニメ業界の人たちのことを思いながら、自分の欲しいものを買う、それだけでも充分だとは思う*1
 しかし、どうもぼくは業界全体というよりは、個人を応援したいという気持ちのほうが強いらしい。声優や監督といった表舞台に立ちやすい人たちならば、ソフトの購入が彼らへの「支援」になると思う。しかし、まだまだ無名の若手アニメーターの場合は、ソフトの購入だけでは厳しいだろう。

 と、いうわけで、ごくごく低額ではあるが、ぼくは新人アニメーター寮のクラウドファンディングに参加したのだった。
 締切は5月31日。クラウドファンディングなので、これまでに目標が達成されなければ、ファンディング企画全体が失敗ということになる。成立すればいいなあと思います。

readyfor.jp

*1:というかそもそもふつうの人は娯楽としてアニメを享受しているだけでよい。作る側が設定する対価を支払っているかぎり、そんなマジメなことを考える義務はない。それは大前提ではある。